2018年11月19日(月)

意図して「ゾーン」状態に 最高のプレーで実力発揮
東海大学体育学部教授 高妻容一

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2015/7/2 6:30
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もし選手がいつでもゾーンに入ることができれば、「いつでも自分の実力が発揮できるはず」という考え方が出てきます。この連載で紹介しているメンタルトレーニングは、いかにして自分の実力を発揮するかという目的のもとに、セルフコントロールをして、リラクセーションやサイキングアップ、目標設定(やる気)、集中、イメージ、プラス思考、心理的準備などを組み合わせて、ゾーンに入る可能性を高くする方法です。

そのためには、ある特定の気持ち(心理状態)をつくることが重要です。以下に示すのは、多くのスポーツ選手がゾーンを体験した時に感じたものを具体的に紹介したものです。

選手のゾーン体験談

野球=高校3年の最後の夏の大会で、バットが届きそうもない外角のボールでも届き、苦手の内角カーブにもバットが出て、1大会で4本の三塁打や1大会で7割近い打率を残した。

水泳=マイナスなことを全く考えなかった。日本選手権の100メートル背泳ぎで、私が苦手としている種目なのだが、怖いと思わず前向きで、かなりリラックスしていた。結果は日本新。この時、私はなぜか優勝できると思って泳いでいた。

ゾーンの感覚=疲れなかった 身体が軽かった 身体が自然に動いた 目覚めがよかった 朝食がおいしかった ウオーミングアップがいい感じだった 焦りがない 勝てると思った まわりがよく見えた まわりの動きを把握していた 今まで感じたことのない力を感じた、出せた 成功のイメージ ミスがなかった 時間が短く感じた ボールが止まって見えた 観客を味方にできた 彼女や親をエネルギーに まわりがゆっくり見えた 自分を中心にプレーが進む感じ 笑っていた 速く反応ができた 平常心 自分が自分じゃない感じ まわりの雑音が聞こえなかった 相手の動きがよく見えた 負ける感じがしない 勝つことがわかっていた ある種の快感があった 独特の興奮があった 不思議な気持ち コントロールができている感じ 無意識・直感的・自動的にプレーをしていた 何か肉体的な変化が起こった 誰かが手伝ってくれた感じ 近くが高揚する感じ 遊離感を覚えた

これらは多くの一流選手たちが口にした言葉をまとめたものです。みなさんもこのような経験をしたり、感覚を持ったりしたことがありませんか。自分が追い込まれた状態であるとか、交通事故などの危険を体験した状態で経験したという人もいます。これは、自らの危険を感じて無意識・本能的に、または偶然にゾーンの状態に入ることができるのだと思います。

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