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臨床試験基盤も投入、アップル「デジタルヘルス」の野望
宮本和明 米ベンチャークレフ代表

(1/4ページ)
2015/7/7 6:30
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ITpro

 センサーやウエアラブル端末、人工知能といったテクノロジーの進化は、健康管理の世界をも大きく変えようとしている。IT(情報技術)を駆使した健康管理「デジタルヘルス」の最前線を追った。

 米Apple(アップル)は2014年9月、「Health」アプリを投入し、健康管理市場へ参入した。2015年に入って臨床試験基盤「ResearchKit」を発表し、医療研究を下支えするフレームワークを投入。時計型端末「Apple Watch」の販売も4月に開始し、健康管理で重要な役割を担う。Appleのデジタルヘルス戦略のストーリーがつながってきた。

■臨床試験を支援するサービス

 今、米国の医療現場でResearchKitが話題になっている。これを使えば簡単に臨床試験アプリを開発できるからだ。臨床試験に参加するモニターは、iPhoneでこのアプリを稼働し、身体情報を記録する。

 具体的には、臨床試験アプリは健康管理アプリ「Health」が収集したデータを読み込み、モニターのアクティビティーや健康状態を収集する。医療機関はこれらデータを解析し、医療情報に関する知見を得る仕組みだ。

 既に、ResearchKitで開発された臨床試験アプリが登場している。米スタンフォード大学医学部(Stanford Medicine)は、心臓の健康状態を解析するアプリ「MyHeart Counts」を開発した(下の写真、アプリ専用サイト)。このアプリはモニターの日常生活を監視することで、生活習慣と心臓疾患の関係を医学的に解明することを目標にしている。

出典: Stanford Medicine
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出典: Stanford Medicine

■実際にモニターになってみた

 筆者も、このアプリを使った臨床試験に参加した(下の写真左側、アプリ初期画面)。こう書くと仰々しいが、誰でも簡単に参加できるのがこのアプリの最大の特徴だ。

出典: VentureClef
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出典: VentureClef

 まず、アプリで研究目的や注意事項を読み(上の写真右側)、同意書に名前をタイプするだけで手続きが完了する。大学病院に出向いて説明を受ける必要はなく、全てアプリで完結する。使用できるスマホは、「iPhone 5s」「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」だが、既にApple Watch向け機能も実装されている。モニターは、身体情報を大学病院に“寄付”するが、その見返りとして心臓の健康状態を把握できる。

 モニターはアプリが指定するタスクを実行し、アンケート調査に回答していく。アプリはiPhoneが内蔵するセンサーでモニターの動きを自動で把握し、収集したデータから、行動パターンや心臓の健康状態を理解する。

 収集したデータは暗号化して送信され、名前はランダムに発生したコードで置き換えられる。身体情報を扱う研究なので、セキュリティーへの配慮は重要なのだ。一カ所、「収集したデータはスタンフォード大学以外でも使われる可能性あり」との記述が気になったが、ここは目をつぶってサインした。

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