2019年9月20日(金)

FAXは日本だけ? まだあるガラパゴスに市場も注目

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2015/6/13付
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■カーナビ、海外はスマホ相手に苦戦

日本では乗用車に欠かせない装備になったカーナビゲーションシステム。大手メーカーが電子情報技術産業協会(JEITA)のデータを基に推計したカーナビの国内市場は14年度で約3700億円。ピークだった09年度に比べ25%縮小した。各社は機能を高めた個性的な商品を競っており、普段の走行を記憶して「お気に入りのルート」を表示する機種や、音楽配信の受信機能付きのカーナビが登場した。その結果、市場の縮小には歯止めがかかりつつあるが、反転拡大の兆しは乏しい。

パイオニアクラリオンは海外のニーズに合わせラジオや車載カメラ搭載の商品を展開しているものの競争は厳しい。据え置き型が強い日本と異なり、海外はPNDと呼ばれる簡易型カーナビが主流のうえ、最近はスマートフォン(スマホ)をカーナビ代わりに利用する運転手が多いためだ。

さらにあらかじめ新車に装備されるカーナビはあるものの、日本のようにカー用品店で気に入った商品を購入して愛車に後付けすることは少ないため「市販品は苦戦している」(クラリオン)という。

各社はカーナビの技術が次世代自動車のカギとなるコンピューター制御の安全走行や自動運転車に応用できる可能性があると強調する。ただ、実際に利益が上がる事業になるかは未知数だ。

株価を見ると12日時点でパイオニアが年初比3%安、クラリオンが同7%安と市場全体の株高の波に乗れていない。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、カーナビ関連株について「自動運転の期待感からすでに上がってしまい、足元では材料が見当たらない」と話す。

■軽自動車、販売最高でも岐路

岐路に立つのが軽自動車だ。排気量660cc以下という日本独自の規格で、車体の大きさについても基準のある軽自動車は、厳しい制限下で技術やデザインを磨いて市場を取り込んできた。

軽自動車は今後人口減少の影響が本格化する見通し(首都圏の販売店)

軽自動車は今後人口減少の影響が本格化する見通し(首都圏の販売店)

川崎市の住宅街に住む関山武男さん(80)はスズキの新型「アルト」を2月に購入し、横浜市内までの買い物などに利用する。車好きで40年余りの間に20台以上の車を乗り継いできた。軽を利用するようになって驚いたのは走りの良さや車内の空間の広さだ。「軽は買い替えるごとに使いやすさや性能が上がっている」と満足そうに話す。

車種も多様化している。スズキが14年に販売した「ハスラー」は軽の多目的スポーツ車(SUV)として、子供を持つ若いファミリー層などの人気をつかんだ。ホンダの「N-BOX」やダイハツ工業の「タント」は床面を低くすると同時に車高を高くして室内の居住性を高めたことなどが評価された。

14年の新車全体の国内販売台数は556万2888台とピークだった1990年(777万7493台)の7割程度まで縮小した。しかし軽自動車は227万2790台と過去最高を記録。全自動車の保有台数に占める軽の比率も37.9%と01年比で10ポイント強も高まった。

ただ、限界も見え始めている。14年に販売が過去最高を記録したのは、メーカー各社が市場を取り込むための値下げ競争に力を入れた影響も大きい。スズキとダイハツの販売競争は大量の流通在庫を生む結果になった。今年4月に軽に対する自動車税が年1万800円とこれまでの1.5倍に増えるなど税制面でのメリットは縮小。4月以降の販売は前年比で2割の落ち込みとなっている。団塊世代の高齢化や大市場の地方の人口減少が今後本格化する。日本独特の規格で輸出が期待できない軽自動車の先行きには不透明感も漂う。

スズキ株は4日に過去最高値を付けた。株価は堅調に推移しているが、野村証券の桾本将隆シニアアナリストは「中長期的に軽の国内市場は大幅な拡大は見込めない。軽自動車税の負担が重くなる可能性もあり状況は厳しさを増すのでは」と語る。スズキは軽の車体を使った車種をインドで販売。現地子会社のマルチ・スズキの市場シェアは4割強に上る。ダイハツも昨年発売した小型車「アジア」が、マレーシアで好調に販売を伸ばす。「日本で独自に磨いてきた軽の開発・生産ノウハウを海外市場でどれだけ生かせるかが今後の各社の成長のカギを握る」(桾本氏)ことになりそうだ。〔日経QUICKニュース(NQN) 後藤宏光、依田翼、谷翔太朗、石川隆彦〕

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