2018年2月19日(月)

FAXは日本だけ? まだあるガラパゴスに市場も注目

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2015/6/13付
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 日本の携帯メーカーが従来型携帯電話、通称「ガラケー」の生産を打ち切る方針を決めた。国内で独自の進化をとげたが世界から取り残され、各社は大幅な損失計上や人員削減を迫られた。ほかにもファクス、カーナビゲーションシステムなど「ガラパゴス化」が進みかねない商品は数多い。将来の企業の業績や株価を左右しかねないため株式市場の関係者も注視している。

■スミソニアン博物館が収集

 米国から来日し住宅関連のデザイン会社を立ち上げたテディ・ジェニングスさんが驚いたのは「ファクスが今でもビジネスの重要な手段として使われている」ことだ。米国では連絡ならメール、図面ならパソコンで作成してそのまま添付ファイルで送って済ませる。「ファクスが使われていたのは6~7年ほど前までだったはず」と振り返る。

ファクスは日本では根強い人気だが…

ファクスは日本では根強い人気だが…

 欧州でも同様だ。邦銀の欧州在住の為替担当者は「ファクスを使ったのはこの半年で数えるほど。きちんと動くかテストしたのと、どうしてもファクスで資料が欲しいというお客さん向けに送った程度」という。ファクスは産業遺産の収集で知られる米国のスミソニアン博物館がコレクションの一つに加えたほどだ。

 経済産業省によると2014年の国内ファクス販売台数は約3万台。ピークに比べて減ったが高水準を保つ。業界団体の情報通信ネットワーク産業協会は「日本では手書き文化が根強く、手で書いた通りの文面をやりとりできるファクスの支持につながっている」とみる。

 業務用ファクス大手の村田機械(京都市)も「国内のファクス需要は根強い」と楽観的だ。家庭用ファクス大手のパナソニックが昨年、送られてきた画像を外出先のスマートフォンで確認できるファクスを発売するなど独自の進化も続く。

 ただ、NECが13年3月に業務用ファクスから撤退するなど一部には事業の縮小を探る動きも出始めた。NECは「キヤノンや富士ゼロックスのようにコピー機の強力な販路を持っていないと厳しい」と振り返る。

 大和総研エコノミック・インテリジェンス・チームの長内智エコノミストは「ガラパゴス商品は情報通信や音楽関連の電気製品に多い」と指摘する。「ファクスのほか高機能のデジタルカメラなども日本人の要求レベルの高さに合わせて機能が高まったが、海外では過剰な機能がネックとなり拡販がしにくく、事業がじり貧になる懸念がある」と分析する。

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