ペナペナ、しとっ…「オノマトペ・ゴルフ」のすすめ
ゴルフライター 安藤啓

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2015/6/11 6:30
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オノマトペという言葉をご存じだろうか。国語学者の故金田一春彦さんが研究に先鞭(せんべん)をつけ、その独特の語感から話題になったことがある。オノマトペはフランス語で、本来はモノが発する音をまねて字句(「ドカーン」「サラサラ」「ワンワン」など)で描写する擬声語のことだが、日本語では状態や心情など音のしないもの(「ツンツン」「デレデレ」「ニヤニヤ」など)を表す擬態語もオノマトペに含んでいる。

物事や声・音・様子・動作・感情などをわかりやすく表現し、情景をよりリアルに伝えられる。日本語はオノマトペが多く、同じ形態素(特に2音節のもの)を繰り返す「畳語」オノマトペが多いのも特徴だ。事実、私たちも日常生活や会話で無数のオノマトペを使いこなして、情景や感情を表現している。オノマトペを使わずに情景を伝えようとすれば、現在とは比較にならないほど多くの言葉を必要とするだろう。

微妙なフィーリングが求められるアプローチは、言葉で説明するのは不可能に近い

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オノマトペにあふれるゴルフ

今回のテーマは国語学にあらず。ゴルフにおけるオノマトペの効用について考えてみたい。

「ツルツル」のグリーンで「トーン」と打ったパット。ボールが「ツー」と出て、カップに「コトン」。これに対して「しとっ」と打ったボールが「ダラダラ」ころがり、「コロン」――。これだけで、上りか下りか、どのくらいの距離だったのか、ボールの挙動までも見当がつく。パッティングだけでも、これだけのオノマトペだ。ショット、コースの状況、心理状態……とゴルフはオノマトペにあふれている。

オノマトペを多用するといえば、日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長が思い浮かぶ。「モサモサのラフからフワっと打とうとしたら、カチンと入っちゃって、ボールがビューっと向こう側に行っちゃって、アレーって」みたいな表現がてんこ盛り。そのままでは記事にしにくいが、現場の状況、スイングの力感、フェースの入り方、ボールの飛び方がありありと伝えられている。

小林会長だけではない。プロや上級者と話していると、「ペナペナっていう当たり」「グッと上げて」「サッと払って」などオノマトペが多いことに気づく。このコラムの初回でも書いたが、文字よりオノマトペの方が感じていることを伝えやすいからだろう。

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