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「四条通の二の舞は御免」、京都の歩道拡幅に慎重な声

日経コンストラクション
2015年5月中旬時点の京都市下京区の四条通。拡幅済みの歩道を歩く人々(写真:京都市)

京都市下京区の四条通で今春、歩道拡幅に伴う車線数減少で激しい交通渋滞が発生したことの余波が広がっている。市が東山区の東大路通で検討中の同様の事業でも、四条通の「二の舞」になるとの懸念が拡大。市は2015年5月27日、東大路通の事業を慎重に進める考えを市議会で表明した。

「歩行者が歩きやすいまちづくり」を掲げる京都市は、14年11月から15年10月末までの工期で、四条通の歩道を延長1.1kmにわたって拡幅する工事を進めている。併せて、車線数を4本から2本に減らす。

四条通は阪急京都線河原町駅の周辺で東西に延びる市道で、沿道は市内最大の繁華街の一つ。15年3月ごろになると、花見客の通過の増加で車道の渋滞が激しくなった。門川大作市長は4月17日の記者会見で、渋滞が生じた主な原因として、車線数の減少を市外に周知していなかったことを挙げた。

市によると5月以降、渋滞は収束に向かい、下旬になると市営バスの四条通の通過時間は歩道拡幅前とほぼ同レベルに落ち着いたという。市では「車線数減少の周知が進み、一般車両の流入が減った。四条通のバス停の一部を直交する別の通りに移したことも功を奏したとみられる」(都市計画局歩くまち京都推進室)と推測している。

東大路通にも渋滞リスク

一方、東山区の東大路通は、約2.3kmにわたって南北に延びる京都府道で、沿道に著名な社寺が多い同区のメーンストリートだ。ただ、東山七条以南を除く大半の区間で、幅員が4車線道路としては狭い14~16.5m。四条通の22mを大きく下回り、歩道の幅が1mに満たない区間もある。市は東山七条以北の区間で、歩道の拡幅を検討している。

四条通は京都らしい碁盤の目状の区画内にあるが、東大路通はその外にあるため、迂回路を探しにくいと考えられる。さらに、東大路通は四条通と違って、地下に鉄道路線が通っていないので、バス利用のニーズがより高い。こうした環境から、四条通の歩道拡幅工事が始まる前に市が実施したパブリックコメントでも、回答した市民の30%が、東大路通の車線数の減少を伴う歩道拡幅は不要だと答えた。

市は今年度末をめどに東大路通の整備方針を固める予定だ。5月27日の市議会で取り組み方を問われた小笠原憲一副市長は、「四条通の渋滞問題を検証したうえで、地元住民の意見をしっかり聞きながら、拙速を避け慎重に事業を進める」という趣旨の答弁を行った。市歩くまち京都推進室では、「車道を一方通行とすることも含めて検討する」としている。

(日経コンストラクション 安藤剛)

[ケンプラッツ 2015年6月8日掲載]

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