2018年8月16日(木)

アマゾンの先行くドローン配送 米企業、スイスで実証へ
宮本和明 米ベンチャークレフ代表

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2015/6/26 6:30
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 下の写真は、ドローン配送ルートの事例だ。右側のドットを離陸し、白線に沿って飛行し、左側のドットに着陸する。赤色に影を付けた部分はFAAが規定する飛行禁止区域(空港近辺や市街地など)を示しており、ドローンはこの区域を避けて最短距離を飛行する。

出典: Matternet

出典: Matternet

 具体的な説明はなかったが、右側のドットは米Tesla Motors(テスラモーターズ)の自動車工場で、左側のドットはMatternetのオフィスと思われる。つまり、工場から自動車部品を消費者に、緊急に配送するシナリオを考えているとみられる。

 将来は航続距離を伸ばすため、バッテリー交換スポットの設置なども計画されている。ここで充電されたバッテリーを搭載し、ホップ・ステップで航続距離を伸ばす。現在、バッテリーは人手で交換しているが、これを自動化することも検討している。さらに、他の飛行体との衝突回避システムや、GPS(全地球測位システム)シグナルを受信できない時の対応技術などの開発も進めている。

■電子商取引にドローン活躍の機会

 Matternetはドローンを活用して、発展途上国で医薬品の輸送などを担ってきた。ブータンではWHO(世界保健機関)と共同で、中央病院から遠隔地の保健所に医薬品を空輸するミッションを展開(下の写真)。パプアニューギニアでは、Doctors Without Borders(国境なき医師団)と共同で、医療支援に従事した。健康診断のため、血液検体などを病院の検査施設に空輸した。これらの実績をベースに、先進国を対象に電子商取引のパイプラインとして事業を展開する。

出典: Matternet

出典: Matternet

 一般に電子商取引では、「ファーストマイル」と「ラストマイル」が一番コストがかかるとされている。また、電子商取引では配送パッケージの75%が1キログラム以下の重量で、小型貨物の配送セグメントが急拡大している。小型貨物では、ラストマイルの配送コストが全体の70%を占めるとされ、ドローンの活躍が期待されている。

 Matternetは、ドローン配送事業を二段階で展開する。最初はアジアやアラブ圏の国々で、企業間取引を支えるインフラを目指す。これらの国々では、経済発展に輸送インフラが追従できておらず、交通渋滞が深刻な問題となっている。これをドローン配送で補完する。

 第2段階では、米国におけるドローン空輸事業を展開する。消費者が電子商取引で購入した商品を、ドローンで届けるモデルの確立を目指す。

 Matternetのビジネスモデルは、ドローンのシステム販売だ。ドローン単体ではなく、空輸システムを販売する。顧客となる企業はMatternetからMatternet ONEを含むシステムを購入し、自社で運用する。提供するシステムは、Matternet ONEのほかに、クラウド関連ソフトウエア(Matternet CLOUD)とスマホ向け専用アプリで構成される。Matternet ONEの価格は5000ドルから。既に販売が始まっている。

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