2019年1月24日(木)

オリックス西、「次男坊」が背負ったエースの重圧
スポーツライター 浜田昭八

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2015/6/7 6:30
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家業を継いでいた長男が病気になったため、陣頭に立たなければならなくなった次男のような悲壮感が漂う。エースの金子千尋が故障でフル稼働できず、あとをまかされた格好のオリックス・西勇輝(24)である。先発ローテーションに加わって5年目。昨季までの4年ではコンスタントに10勝前後をマークした。金子の代役を務める力は備わっているはずである。

だが、トップに立つプレッシャーは想像を絶した。シーズン序盤の出足は毎年いいが、今年は初登板のソフトバンク戦で3ホーマーを浴び、5回と持たず7失点でKOされた。その後も好投するとバックの援護がなく、我慢の糸が切れて完投できないという試合が続いた。

チームは近来、まれなほどの巨費を注ぎ込んで大補強した。優勝候補に挙げられたが、故障者が続出した。投手陣では金子のほかに平野佳寿、佐藤達也、比嘉幹貴らが次々に倒れた。野手陣はさらにひどく、ブランコ、中島裕之、小谷野栄一の新戦力がケガで満足にプレーできない。その上に主力打者の糸井嘉男、T―岡田の調子が上がらず、得点力は信じ難いほど低かった。

「オレが…」の気負い裏目に

この状態で西が「オレがやらねば……」と気負い立つのは当然のことだった。それが裏目に出て、本来の投球ができないことが多かった。精神的負担は西の肉体もむしばみ、4月末には原因不明の顔面マヒに見舞われ、予告先発を回避したこともあった。

普段はニコニコとして、気楽な次男坊といった様子だが、向こうっ気は強い。5月24日のロッテ戦で、今季2勝目を完封でマークした。この試合の二回にロッテの今江敏晃、福浦和也に死球を与えた。過去の対戦でもしつこく内角を攻められていた今江が、憤然としてバットをグラウンドにたたきつけた。

だが、西は平然として強気の投球を続けた。「当たっている打者には大胆に向かわねばならない。相手は必死だろうが、こちらも死にもの狂いでやっている」と、ひるまなかった。先発ローテーションに加わった4シーズンのうち、「死球王」に2度なっている。わざとぶつけるはずはないが、内角へ切れ込む速球で攻める投球は「ボクの持ち味。変えるつもりはない」と言ってはばからない。

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