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進む企業スポーツ新旧交代 「知名度+α」に懸ける
「レジェンド」も一役

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2015/5/30 6:30
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 パナソニック、四国電力、エスビー食品――スポーツに詳しいひとならピンとくるかもしれない。そう、企業スポーツから撤退した有力企業だ。企業スポーツは「失われた20年」のあいだに撤退・廃部が相次いだ。株式市場で物言う株主に無駄な出費とみなされ、標的となりやすかったことなどが背景だ。だが、縮小一辺倒かというと、そうでもない。新たな担い手も続々と現れており、株式市場同様に企業スポーツでも新旧交代が進みつつある。

■きっかけは1通の手紙

 「世界に通用するランナーを育て、東京五輪で金メダルを目指したい」。4月15日、ニトリホールディングスの似鳥昭雄社長は都内での記者会見でこう意気込みを語った。この日、ニトリHDはマラソンに絞った女子陸上部の創部を発表。社長を突き動かしたのは1通の手紙だった。

今年2月、神戸で開かれた日本選手権女子20キロ競歩で初優勝したビックカメラの岡田選手=ビックカメラ提供

今年2月、神戸で開かれた日本選手権女子20キロ競歩で初優勝したビックカメラの岡田選手=ビックカメラ提供

 「女子のフルマラソンを立て直したい。マラソンに特化した陸上部を作りたい」。社長あての手紙にこうしたためたのは高橋克彦氏。シドニー五輪金メダリスト、高橋尚子さんがかつて所属した佐倉アスリート倶楽部での指導経験を持つ名伯楽だ。世界の大舞台でメダルを狙えるような有力選手が見当たらない現状に危機感を持ち、ニトリHDの協力を仰いだ。「マラソンに特化した女子陸上部は例がない」。オンリーワンぶりをアピールして似鳥社長の背中を押した玉上宗人執行役員は「マラソンなら世界一を目指すことも可能。夢に向かって走ることはニトリHDの目標とも重なる」と話す。

 ビックカメラが陸上部を創設したのも昨年4月と、日が浅い。競歩で8月の北京世界陸上に出場する岡田久美子選手を採用したのがきっかけだ。続いて今年1月には北京五輪で金メダルに輝いた日本のエース、上野由岐子選手らを擁し、日本リーグ優勝などの戦績を誇る名門女子ソフトボール部をリストラ中の半導体大手、ルネサスエレクトロニクスから引き受けた。日本郵政は昨年4月に女子陸上部を立ち上げ、駅伝中心に中長距離選手を育成している。手紙とたすきは「届ける」との目的が重なるという。

■バスケ、野球、バレー…消える実業団チーム

 日本で企業スポーツが勃興したのは戦後復興期の1950年代。工場を拠点にチームが続々と産声を上げた。紡績・繊維工場の女子バレーが典型だ。多くの場合、その目的は社内の一体感や求心力の醸成にあった。60~70年代には多くの企業スポーツで日本リーグが誕生。知名度の向上とともにスポーツエリートの受け入れも進んだ。だが、勝利至上主義が強まるなど変質が進むなか、衛星放送を通じて海外一流スポーツが身近になると企業スポーツは衰退の道をたどることになる。さらに、20年に及ぶ景気低迷が追い打ちをかけた。

 企業のスポーツ支援そのものが退潮をたどっているわけではない。大崎企業スポーツ事業研究助成財団の調査によると、「スポーツ支援活動を実施している」という企業の割合は2000年の58%から、10年には76%に上昇した。ただ、その内容は「スポーツ大会などのスポンサー」や「プロスポーツチームの支援」などが多く、「企業スポーツチームの支援」と答えた企業の割合はわずかに低下している。自社でチームを抱えずに、手っ取り早く知名度を上げたい企業側の思惑が透ける。

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