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豊島逸夫の金のつぶやき

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円の「5月売り」、遠のく追加緩和

2015/5/28 8:18
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多くの投資家は、株の「セル・イン・メイ」に身構えていた。ところが、結果的に5月に売られたのは円だった。この時点で一時124円台に下落するほど急激に円が売られるシナリオは想定外だったといえる。

追加緩和のタイミングも(あるとしても)かなり先送りされそうだ。現在の円相場の水準で追加緩和を実施すれば、130円接近も視野に入る円安を覚悟せねばならぬ。自国通貨安誘導のそしりを受けるのは必至である。特に中国を訪問した国際通貨基金(IMF)の調査チームが、「もはや人民元は、安すぎることなし」と認定したことがジワリ効きそうだ。

黒田日銀総裁は「必要となれば、ちゅうちょなく行動する」ことを繰り返し述べてきた。しかし、現在の為替水準が持続して円安の悪影響が景況感に及んだ場合、「ちゅうちょなく」追加緩和できるだろうか。日銀にとって想定より速いペースでの円安進行が悩ましい問題となりそうだ。

日本株は今年後半の追加緩和でさらなる株価上昇のシナリオを描く向きが多かった。それだけに、追加緩和なしの可能性が強まった場合、どこまで現在の買いが持続できるか。緩和依存相場から脱却して独り立ちとなれば、企業業績の改善や「自己資本利益率(ROE)革命」などの真価が問われる相場となろう。

円安の急進で、欧米市場では日本株への期待度がにわかに高まっている。日本では、円安の株価への影響が中期的に薄まる傾向も指摘されるが、欧米では「円安は日本株にとってプラス要因」との見方が変わっていない。円売りヘッジつきという条件での日本株買いが顕在化しそうだ。ヘッジファンドも「日本株買い・円売り」のいわゆる「ジャパン・トレード」の復活をもくろむ気配を感じる。2014年は「ジャパン・トレード」が数少ない稼ぎ頭だったので、「夢よもう一度」の思いがにじむ。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島逸夫事務所(2011年10月3日設立)代表。11年9月末までワールド ゴールド カウンシル(WGC)日本代表を務めた。
 1948年東京生まれ。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラーとなる。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験をもとに金の第一人者として素人にも分かりやすく、独立系の立場からポジショントーク無しで、金市場に限らず国際金融、マクロ経済動向についても説く。
ブログは「豊島逸夫の手帖」http://www.mmc.co.jp/gold/market/toshima_t/index.html
ツイッター(http://mobile.twitter.com/search?q=jefftoshima)ではリアルタイムのマーケット情報に加えスキー、食べ物など趣味の呟きも。日経マネーでは「現場発国際経済の見方」を連載中。日本経済新聞出版社や日経BP社から著書出版。業務窓口は jefftoshima@hyper.ocn.ne.jp

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