家庭ゴミを発電燃料に 爆発事故12年目の再挑戦

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2015/5/26 6:30
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 家庭のゴミがエネルギー資源になる――。かつて多くの自治体を振り向かせた夢の燃料プランがあった。ゴミ固形燃料(RDF)。家庭ゴミをペレット状にして、燃料として再利用しようとするものだ。しかし2003年、先頭を切って導入していた三重県で爆発死亡事故が発生すると、増設の機運は一気に萎んだ。そんな「かつての夢」の実現に、今春から動き出した北海道の自治体がある。人口減少が加速する地域で新たな選択肢として名前が挙がったRDF。再びブームは訪れるだろうか。

北海道倶知安町の工場で、ゴミ固形燃料(RDF)の製造は今年3月から始まった。1日17トンの一般ゴミを処理できる

北海道倶知安町の工場で、ゴミ固形燃料(RDF)の製造は今年3月から始まった。1日17トンの一般ゴミを処理できる

■家庭ゴミの処理コスト、焼却に比べて6割に

屋外に積まれた直径5センチほどの円柱状のペレットの山。まだ作りたてなのか、湯気を立てている。外目にはふわふわとしているように見えるが、プラスチックのゴミを足し熱を加えており、触ってみると固い。

羊蹄山麓の町、北海道倶知安町で今年3月から稼働しているRDFの製造設備。地元の廃棄物処理会社、ニセコ運輸(倶知安町)が建設し、周辺の7町村と一般廃棄物の処理契約を結んでいる。1日17トンの家庭ゴミを処理する能力があり、RDFを同6~7トンほど製造している。

環境省が昨年度調査した資料によると、RDFの製造設備は全国に52カ所ある。しかし、その多くは03年までに竣工されたもの。05年以降に竣工した施設は倶知安を除けば、わずか3カ所にとどまっている。

再生可能エネルギーに焦点が当たる中で、すっかり忘れ去られていたRDF。なぜ、今、焦点を当てたのか。倶知安町の担当者はコスト面を最大のポイントにあげた。町の試算では15年間の維持管理費や補修費を加えても、焼却処理に比べて6割のコストで済むとはじいている。

人口減が加速する地方の中小の都市では、十分な処理ができる大型施設を新たに建設する資金的な余裕は乏しい。今回、ニセコ運輸の投資額は建物や付随施設を加えても3億円弱。自治体側は1キログラムあたり38円の処理費用を支払うものの、大型の焼却炉を自前で新設するよりも割安に済むという。

RDFが注目を集め始めたのは1990年代半ばのこと。当時はゴミ焼却場から発生する有害物質のダイオキシンが大きな問題になっていた。焼却炉内が低温になると発生するとされたダイオキシン対策として、多くの自治体が焼却炉の改修を迫られた。その過程で注目されたのがゴミをそのまま燃やすのではなく、エネルギー資源に加工、活用するRDFだった。政府の補助対象にもなり、90年代後半から全国で次々にRDFの製造プラントが立ち上がった。

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