2018年8月20日(月)

クボタ、フォークリフトの動線分析で工場内物流改革
「動線分析」最前線(下)

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2015/6/1 6:30
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日経情報ストラテジー

 工場内を走る搬送車、商業施設を買い回る来店客、そして現場で働く作業員。ヒトやモノの動きを「動線」として見える化する取り組みが始まっている。動線を分析すると、仕事に潜むムダを解消し、新たな商機が見えてくる。一見、落書きのような動線データを、どう読み解けば成果が生まれるのか。動線分析を工場内物流の効率化に活用するクボタの取り組みを見てみよう。

 生産ラインの脇に配置した部品の在庫置き場で、部品Xの在庫が底をついた。部品の保管場所で待機する作業員は、在庫切れの連絡を受けると急いで部品Xを搬送車に積み込み、在庫置き場まで運んで納入した。ジャスト・イン・タイムの施設内物流は極めてスムーズに見える。ところが、動線分析を実施すると気づかなかったムダが見えてくる――。

 農業機械大手のクボタは2014年10月、田植え機やコンバインを生産する宇都宮工場で搬送車の動線分析を開始した。「工場内物流を改革して1年以内に経営的な効果を出す」。取り組みを主導する生産管理課の山本康之氏は、こう意気込む。

 クボタでは以前から業務改善活動の一環で作業員の動きを分析してきた(図1)。作業員をビデオカメラで撮影し、再生映像から「一筆書き」のような作業動線を手書きで作成。この動線データを要素作業に分解し、それぞれの作業時間を測定して、ムダを見つける。

図1 以前から手描きで動線データを作成して手元作業を改善していた

図1 以前から手描きで動線データを作成して手元作業を改善していた

 ただし、ビデオカメラを使った手作業の動線分析は、データ収集から分析結果を得るまで時間を要する。「30分の作業工程を分析するのに、日常業務をこなしながら少なくとも1週間はかかる」(山本氏)。

 まして部品を運ぶ搬送車は、作業よりもはるかに広い範囲を動く。作業工程や手順と異なり順番が決まっているわけではない。手作業での動線分析はほぼ不可能だった。

■自動化ツールを導入

 そこでクボタが導入したのが、動線データを自動的に収集・作成できるシーイーシーのツール「RaFLOW(ラフロー)」だ。クボタは2014年3月、工場内に配備した無線LANの位置情報を使い、動線データを自動的に収集・作成する仕組みを構築(図2)。検証期間を経て2014年10月から、クボタが「Cライン」と呼ぶ作業エリアを対象に、フォークリフト3台とエレカ(小型電気自動車)1台の動線分析を始めた。

図2 動線データは無線LANの位置情報から収集

図2 動線データは無線LANの位置情報から収集

 工場内の見取り図に描写される複雑な動線を読み解くことで、仕事の問題についての様々な発見が得られたという(図3)。実際の動線データを参照しながら、その発見と改善の可能性を見ていこう。

図3 動線分析を実施した作業エリア「Cライン」と分析で見つかったポイント

図3 動線分析を実施した作業エリア「Cライン」と分析で見つかったポイント

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