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成長へ変化必要 岡田武史氏が考える日本サッカー

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2015/5/24 6:30
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 サッカー元日本代表監督の岡田武史氏が愛媛県今治市にあるサッカークラブ「FC今治」のオーナーとして、新たな挑戦を始めました。日経電子版は創刊5周年を記念し、同氏を講師にした2部構成の有料会員限定セミナーを開催しました。第2部のテーマは「いま考える岡田武史の日本サッカー」。運動部編集委員の武智幸徳と対談したセミナーの主な内容をお伝えします。

武智 岡田さんはFC今治で自身の経験を生かした「岡田メソッド」構築を目指しています。理想のサッカーとはどのようなものですか。

「いま考える日本サッカー」と題して対談する岡田氏(右)と武智編集委員

「いま考える日本サッカー」と題して対談する岡田氏(右)と武智編集委員

岡田 昨年のワールドカップ(W杯)ブラジル大会で日本代表は勝てませんでしたが、力のあるすごくいいチームでした。ただ、ちょっとしたボタンの掛け違いがありました。「自分たちのサッカー」はもちろん大切ですが、W杯のピッチに立ったら、自分の国を背負ってプライドをかけ必死に戦わないといけません。ですが、日本人は外国のチームや選手に対してコンプレックスもあり、1人でなかなか乗り越えられません。まとまれば大変な力を発揮するのですが……。

カウンターとビルドアップの両方を

1次リーグ敗退後、日本代表の(ボールを保持しながら攻める)サッカーは限界だという論調が中心でした。確かに3位だったオランダはカウンター攻撃に特長があり、ブラジルの攻撃もカウンターでした。一方で、優勝したドイツはある程度ボールを保持しながらの攻撃を軸にしたサッカーをしていました。

日本にはクリスティアーノ・ロナルド(ポルトガル)、アリエン・ロッベン(オランダ)、リオネル・メッシ(アルゼンチン)はいません。彼らのような(1人でも局面を打開できる)選手が日本でも育つよう努力をしないといけませんが、日本が勝つにはある程度の人数をかけて局地で数的優位をつくり、相手を崩していくしかありません。GKと1対1になっても得点を決められず、「決定力がない」などと同じことを何年言っているのでしょうか。1対1で決められないなら(GKに対し)2対1、3対1の状況をつくるしかありません。問題はそのためにどうするかです。

その方法を追求するのは大きなリスクを伴います。Jリーグなど大きな組織ではチャレンジするのは難しいでしょう。だが私がいるFC今治でやるなら(大きな組織に比べ)リスクは小さい。ハリルホジッチ代表監督に代わって、カウンターを重視した縦に速い攻撃を目指すようになったのは間違いではありません。ボール際で勝てという監督の指示も私が以前からずっと言ってきた話です。

ただ、カウンターサッカーで攻めるといっても、相手チームが下がって攻めてこなかったらどうするのでしょうか。そのときはこちらがビルドアップして攻めていくしかありません。つまり、勝つためには両方が必要なのです。どちらか一方にマスコミの論調が偏るのはおかしいと思います。

戦術とはいわば「孫子の兵法」の「彼を知り己を知れば百戦して殆(あや)うからず」です。こうすれば負けることはないといっているのです。敵が強ければボールを保持し続けられず、ある程度カウンター攻撃頼みになるのは仕方ありません。逆に弱ければ(引いて守る相手に)カウンター攻撃はできません。そのときの互いの力関係に加え、自分たちがやろうとしているサッカーを俯瞰(ふかん)してみて、最終的な"自分たち"の戦い方が決まるのです。

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