2018年9月23日(日)

夏に自動運転機能追加 テスラは「クルマ版iPhone」
宮本和明 米ベンチャークレフ代表

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2015/5/29 12:00
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■アグレッシブとリラックス

 自動運転時には、インスツルメントパネルのデザインも一新される。下の写真はAutopilotで運転している時のディスプレーで、中心部分にセンサーが捉えた周囲のオブジェクトが表示される。前方のクルマとの車間距離は青色のバーで示され、この距離を保って走行する。

出典: Tesla

出典: Tesla

 追従モードを選択することも可能だ。「アグレッシブモード」では、前のクルマとの車間距離を詰め、追跡するような勢いで追随する。反対に、「リラックスモード」では車間距離を十分に取り、余裕を持った走りができる。接触の危険性があるクルマは赤色で表示され、ドライバーがハンドル操作で制御をオーバーライドできる。

■狭いガレージでも自動駐車

 自動駐車機能「Autopilot Parking」も追加される。路上で駐車スポットを見つけると、クルマはそれをドライバーに知らせて自動で駐車する。Teslaの充電ステーション「Supercharger」では、自動で空きスペースを見つけて駐車する。自宅ではクルマが自動でガレージに駐車する。狭いガレージにクルマを出し入れするのに、困ることはない。

 私有地であれば、クルマはドライバーのスケジュールを把握し、自動でガレージのドアを開け、外に出て路肩に駐車して搭乗を待つ(下図)。GPS経由でリアルタイム渋滞情報を受信し、自宅から目的地までの所要時間を計算。時間になると、路肩でスタンバイする機能もある。ドライバーは、まるでハイヤーを利用するような気分で玄関前で待っている車に乗り込める。

出典: Tesla

出典: Tesla

 こうした自動運転の機能は、車載センサーからの情報をベースにしている。カメラは前方と後方に一台ずつ搭載。前方カメラは室内リアビューミラー背後に設置され、道路標識や信号、歩行者を把握する。レーダーはフロントグリル下部に設置され、前方にあるオブジェクト(物体)を把握する。レーダーの認識範囲は長距離で、雨や雪などの悪天候でも使える。

 超音波センサーはクルマを取り巻くように、前方と後方に合計12台搭載している(下の写真、ヘッドライト下の小さな円形の部分)。超音波センサーは車両の周囲360度をカバーし、子供や動物なども含めて物体を把握する。

出典: VentureClef

出典: VentureClef

 Autopilotは、これらのセンサーからの情報を元に、走行ルートや速度を決定する。車線変更の際は超音波センサーで安全を確認する。Autopilot Parkingは、超音波センサーを使い、周囲の障害物を把握して駐車する。後方カメラは人が運転する時、後方のイメージをタッチスクリーンに表示する。

■自動運転中に手を放していいのか?

 Teslaは「Autopilotはハイウェーと主要幹線道路で利用できる」と公表している。ドライバーはAutopilotをオンにすると、ハンドルから手を離し、アクセルから足を外せる。ただし、Autopilotは完全な自動運転機能ではなく、あくまで運転支援機能という位置付けである。このためドライバーは走行中、路上から目を離すことは許されない。

 緊急事態には、ドライバーがハンドルやブレーキ操作をする必要がある。運転の全責任はドライバーにある。この意味で、米Google(グーグル)の自動運転車とは異なるコンセプトのデザインとなっている。Autopilotは、完全自動運転を目指すための“一里塚”という位置づけだ。

 道路交通法の観点からは、Autopilotはグレーゾンであることも事実だ。現行法がこの機能をカバーして、明確にそれを認めている訳ではない。つまり、現時点ではAutopilot機能を使ったドライバーは、違法行為で検挙される危険性がある。道路交通法が、技術の進化に追随できていない状態が続いているのだ。

 ドイツMercedes-Benzなども同様の機能を提供しているが、ドライバーにハンドルを握ることを求めている。これに対してTeslaは、Autopilotは現行の道路交通法と矛盾するものではないとし、「問題は無い」との見解を示している。

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