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ニコン、再生医療用細胞の受託生産に参入

日経デジタルヘルス

ニコンは、再生医療向け細胞生産大手のスイスLonzaと、日本における細胞受託生産に関する戦略的業務提携契約を締結した。ニコンはこれを受けて、100%出資の新会社を2015年度上期に設立。同年度下期から再生医療用細胞の受託生産事業を始める。今後、iPS細胞などによる再生医療の実用化に向けた取り組みを加速するという。

再生医療用細胞の受託生産とは、製薬会社から委託を受け、再生医療に使う細胞を生産・供給する事業を指す。今回の契約によって、ニコンはLonzaの生産システムを利用できるようになるとともに、受託生産設備の構築などについてLonzaからコンサルティングサービスを受ける。今後、高品質の細胞生産に必要な機器や消耗品類を開発し、ハードウエアとソフトウエアを含むトータルソリューションを提供する狙いだ。

設立する新会社の名称は「ニコン・セル・イノベーション」で、出資金は20億円。細胞受託生産用の工場竣工を2017年度上期に予定している。

欧米では造血幹細胞や間葉系幹細胞などの「体性幹細胞」の利用が既に始まっている。人工多能性幹細胞(iPS細胞)の臨床応用がこれに続く見通しだ。日本でも「高品質の再生医療向け細胞を受託生産できる体制づくりが急務と考えた」(ニコン)。

iPS細胞などによる再生医療の実用化に向けては、製造工程における品質・安全評価の基準づくりや運用方法の確立が欠かせない。目的とする細胞への分化誘導の方法や大量細胞培養の必要性を考慮したスケールアップも必要という。ニコンは光学技術や画像解析技術といった同社のコア技術と、Lonzaが持つ高品質の細胞生産技術を組み合わせ、これらの課題を克服する考え。ニコンは再生医療分野では2007年から、iPS細胞をはじめとするライブセル(生きた細胞)向けの細胞培養観察装置を製造・販売してきた。

(日経デジタルヘルス 大下淳一)

[日経テクノロジーオンライン 2015年5月8日掲載]

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