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熊坂五段、引退決まる 「人生は待ったできない」

将棋の熊坂学五段(37)の現役引退が決まった。7日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で指された第28期竜王戦の6組昇級者決定戦で石井健太郎四段に敗れ、引退回避に必要な成績を期限内に残すことができなかった。

負ければ現役最後となるこの日の対局に、熊坂五段は自身の原点ともいえる居飛車戦法で臨んだ。最近は振り飛車の採用が多くなっていたが、「基本的には子供の頃から居飛車党。今日は勝っても負けても居飛車でと思っていた」。5時間の持ち時間を使い切って奮闘したが「最後いくつかチャンスを逃し」ての敗戦となった。

熊坂五段は2002年に四段昇段。プロ入り直後に所属する順位戦のC級2組でつまづき、05年に規定の成績を10年の間にあげなければ引退となる「フリークラス」という立場になった。最後の1年となった昨年度、森内俊之竜王(当時)を破るなどの活躍を見せ、規定の成績まであとわずかとしたこともあったが、わずかに届かなかった。「自分自身がしっかりしていなかったので自業自得。ただ最後まで自分らしい将棋は指したかな」と振り返る。

「今日の相手の石井君も若い(23歳)。若い人がいっぱいいますから厳しいと思っていました。勝負の世界ですから。勝負師として力が足りなかった」。昨年、地元の仙台で立ち上げた将棋教室の生徒など、この1年は応援の声も増えた。「一生懸命がんばったが、情けない棋士人生でふがいなく思っています。声を掛けてくれた方々には『ありがとうございます』と一言いいたいです」

今後については「教室をできればやっていきたいですが、(他の仕事に就くことなど)何か考えなきゃいけないかもしれない」という。

改めて棋士人生の思い出を問われると、「順位戦(C級2組)を3年で落ちたことが人生初の挫折。それが大きかった。人生は"待った"できませんが、そこだけは悔いが残ります。力が無いとはいえ、将棋は自分らしく指しました。高柳(敏夫名誉九段)、中原(誠名誉王座)一門という名門に泥を塗ってしまったのは心残りです」。

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