2018年10月24日(水)

産業用ロボが動き回る工場へ 無人搬送車のヘッズ

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2015/5/4 6:30
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産業用ロボットが工場の様々な工程の間を自ら動き回りながら、24時間休みなく製品を組み立てていく――そんな夢のような工場の実現に挑んでいる企業がある。自動車工場などで部品を運ぶ無人搬送車(AGV)の製造大手、ヘッズ(福岡県苅田町、本田啓一社長)だ。ケーブルをつながずに電気を供給する非接触式充電の技術を武器に、少量多品種生産に適した工場自動化を提案する。

■ライン設計や工場レイアウトが柔軟に

ヘッズは、自社が得意とする無人搬送車を「足」にし、その上に産業用ロボットを載せて自走式にする研究を進めている。

「製造ラインの設計や工場レイアウトを柔軟にしたり、生産計画を臨機応変に変えたりなど工場側の需要は大きいはず」。本田社長はこう、産業用ロボットが自走するメリットを説く。実際、AGVの納入先である電機産業の大手部品メーカーの反応は悪くない。「どのような場面で使えるか」など、現場では議論が盛り上がる。

非接触充電を使うとロボットの自由度が高まると期待される

非接触充電を使うとロボットの自由度が高まると期待される

自走式産業用ロボットを開発する強みになるのが、AGVを送電装置に近づけるだけで充電できる「非接触充電」の技術だ。通常、産業用ロボットは製造ラインに固定される。ロボットを常時稼働させるには電源の問題から移動させるのは難しいためだ。しかし非接触充電の搬送車を台座に使い、その上に作業ロボットを搭載すれば送電用コードや給電レールがいらない。バッテリーの残量確認や交換といった作業を完全無人にすることも可能だ。

充電のために稼働を止める必要もなくなる。非接触充電は移動したロボットが作業をこなす場所ごとに充電装置を備えておけば、作業中に充電し常に稼働できる。非接触充電の場合は感電やスパークの心配がなく、人が行き来する通路でも危険が低い点もメリットの1つだ。

最近のものづくりの現場では多品種少量の生産が増えて工程が複雑になっている。流れ作業のコンベヤーの脇にロボットを固定した製造ラインでは対応できない例もある。特に中小製造業の現場では、せっかく導入したロボットの稼働率が上がらない例も出ている。多機能なロボットが必要な作業場所に自ら行くことができれば、工場の稼働率を上げられる。

■独自の工夫で受電・送電装置を大幅に小型化

ヘッズは、日産自動車の九州工場進出に伴い工場メンテナンスの会社として出発、技術を蓄積してきた。非接触充電型のAGVを製品化したのは約10年前。以来、日産やトヨタ自動車といった大手自動車の工場を中心に、自動車部品や産業機械、素材など幅広い業種に納入している。海外もタイの自動車部品大手、サミットグループなどで使われている。非接触充電型のAGVだけで1800台を超える導入実績を持つ。

独自の工夫を重ねて非接触充電の実用化にこぎ着けた。非接触充電は一般に、送電側コイルに電気を流すことで生じた磁界の変化により、離れた場所にある受電側コイルにも電力が発生する仕組みだ。コイル同士の距離が離れ過ぎたり位置がずれたりすると、電力の伝達効率が低下してしまう。

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