2019年9月17日(火)

守・破・離への道(岡田武史)

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ドイツに見たスポーツの価値 日本、付属物の殻破れ

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2015/4/23 6:30
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正直、つまらない試合も中にはあった。「こんな相手なら日本のJクラブだって負けないぞ」と思うチームもあった。しかし、満員のお客さんは試合のレベルに関係なく大きな声をあげて応援し、最後まで帰り支度を急ぐこともなかった。私なんか「寒いし、つまらないし、途中で帰ってやろうか」と何度も思ったのに。

どうしてこんなに熱いのか。

男臭さ排し家族共通のスタジアムに

基本的に社会の構造が違うというのはある。キリスト教のドイツでは安息日である週末は、いろんな店舗が閉まっている。暇な週末をどこで過ごすかとなったとき、スポーツ施設、特にサッカー場は最高の受け皿になる。その点、日本はディズニーランドとか大きなショッピングモールとかプロ野球のような他のプロスポーツの興行とか、集客の競争相手が多すぎるくらいある。

昔のドイツのサッカー場は時に暴力沙汰が発生する危険な場所だった。今は2006年のワールドカップ開催を機にスタジアムがきれいに新設、改装されて、女性や子供も安心して足を運べる場所になった。男臭い場所からファミリーで楽しめる場所へ。ブンデスリーガが欧州で屈指の集客を誇るようになった一番の理由だろう。

そういう風景を見せつけられたとき、我が方はどうすべきなのか。

家の外に内にさまざまなエンターテインメントが選択肢として存在し、家の外に引っ張り出すだけでも一苦労という環境の中で、どうやってサッカーを選ばせるのか。

試合のない日でもにぎわいの場所に

私が思うのは、単なるエンターテインメントとは異なる価値観や意味を持たせないと難しいのではないか、ということ。同じおカネをスポンサーから出してもらうのでも、タニマチ的な感覚で出してもらうのではなく、それ相応の価値を認めて出してもらえるようにならないとダメになってしまうと思うのだ。

例えば、まだ構想というか、夢の段階ではあるけれど、私はFC今治をいずれ、健康を保つノウハウに関心がある人たちが日本中から集まる拠点にしたいと考えている。ショッピングセンターや医療施設とドッキングした複合施設の一部としてサッカースタジアムは存在し、試合がない日でもにぎわいのある場所として稼働させたいと思っている。

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