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守・破・離への道(岡田武史)

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ドイツに見たスポーツの価値 日本、付属物の殻破れ

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2015/4/23 6:30
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試合後、お客さんの数を発表する段になってスタッフからは「900人弱」という報告があった。「末広がりの880人でいいですか」というから「それでいいよ」と答えた。数字の水増しはいけないけれど、縁起を担いでの少なめの発表なら許されるだろう。

奇妙なクラシコにバルサの徹底見る

四国リーグの戦いに突入する前、3月はドイツ、スペインを視察して回った。スペインでは「クラシコ」と呼ばれるFCバルセロナとレアル・マドリードの一戦を中継する放送局の解説をした。

スペインの2大巨頭のダービーマッチは常に熱い戦いになるが、今回はいつもと違う、奇妙なクラシコになった。ボールをポゼッションして攻め込むのはレアルで、バルサはカウンターを狙うという、いつもと逆の構図になったのだ。まあ、そういう戦いになることはバルサがウルグアイ代表のストライカー、スアレスを獲得し、アルゼンチン代表のメッシ、ブラジル代表のネイマールと3トップを組ませる方向性を打ち出した時点である程度、予想がついたことではあるのだが。

ある意味、そこにバルサの徹底を見ることはできる。選手補強のベクトルと実際のピッチでやらせるサッカーのベクトルは一致しているわけだから。従来の、僕らがイメージするバルサのスタイルを貫くなら、それに沿った選手補強をしなければならない。スアレスをリバプールから今季獲得してメッシ、ネイマールと組ませることを決めた時点で、今までと違うやり方でやると決断したわけで、監督のルイスエンリケはその難しい作業を立派に果たしていると思う。

熱きドイツ人、レベルに関係なく応援

ファンも信奉する「バルサ・スタイル」という明確な戦い方がある中で、それからちょっとでも外れるようなことをするには相当な勇気がいる。口で言うほどそれは簡単なことじゃない。

レアルはMFのキーマン、クロアチア代表のモドリッチの動きが落ちた中盤以降に生気を失った感じだった。ケガ明けのモドリッチのガス欠から中盤のプレスが緩くなったように思う。動きが落ちて陣形が間延びすれば、バルサの強力3トップが暴れるスペースを与えることになる。日ごろ、チームとしてそこまでフルにプレスをかけ続ける試合をしていないマイナス面がレアルに出たように感じた。

奇妙なクラシコより欧州視察で驚いたのはドイツで受けた衝撃だったかもしれない。3月のドイツは場所によってはまだ寒く、ぶるぶる震えながら試合を見たが、それに負けない熱気がスタジアムに充満していた。

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