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まだいるの?こんな面接官

 初めての就職活動は分からないことだらけ。直接企業に質問しづらいことも多いし、口コミ情報がどこまで信用できるかも不安だ。そんな悩みを解決する「就活探偵団」。就活生の疑問に答えるべく、あなたに代わって日経記者が企業に突撃取材します。

今回の相談は「ひどい応対の面接官が多くありませんか」

正しい言葉づかい、きちんとした挨拶--。就活生は企業から社会人として様々な常識を求められる。ところが、面接に臨んでみるとそんな社会常識をわきまえていない面接官に遭遇するケースが少なくない。これから面接を受ける就活生はここで紹介する事例を参考にし、「心の準備」に役立ててほしい。

若手社員のストレス解消?

意図的な圧迫面接なのか、単に非常識なのか…

就活生にとって、難関をくぐり抜けた一流企業の若手社員はまぶしく見えるもの。そんな就活生の心理を知ってか知らずか、「上から目線」でダメだしばかりする若い面接官は毎年、必ずいる。今年も例外ではなかった。慶応大就活生の田中祐子さん(仮名)が3月上旬、4社による合同説明会の面接で経験した話だ。

「外資系保険会社の3年目の女性社員でした。複数の就活生を相手にした集団面接で、学生の発言にことごとくダメだしをするのですが、とにかく的外れで……。『過去にこんな経験をし、こう感じた』と話すと、『いや違う。私の経験ではこうだ』など自分の正しさを主張するばかりで、面接が全くかみ合わない。終わった後、みんな『感じ悪かったね~』と話していました」。まるで若い面接官が、就活生を相手にストレス解消をしているかのような光景だ。

企業の採用担当者はよく、「説明会でスマホを触っている学生が多い」など就活生のスマホマナーをやり玉にあげるが、もっとマナーがひどい面接官もいる。日大出身の藤村愛子さん(仮名)は昨年のある大手企業の面接を思い出すと、今でも腹が立つという。

「面接部屋のドアの一部がガラスになっていて部屋の中が見えたのですが、面接官2人のうち1人がスマホを熱心にいじっていました。『どうぞ』と中に入っても、『座ってください』といわれてもスマホから手を離さず、本気で面接をするのか不安になりました」

面接が始まるとようやくスマホから目をあげたが、もう1人の面接官も別の不安を生じさせる人物だった。

「私とまったく目を合わせようとせず質問をするのです。これは相手にされていないのか……と落胆したところに、今度はスマホ面接官がまたスマホをいじくり始め、あきれるやらイラつくやらで、最悪の面接でした。結果ですか?落とされました。大雪で2時間もかけていったので余計に腹が立ちました」

不機嫌なメガバンク面接官

なぜか不機嫌な面接官に出くわしてしまうケースも少なくない。法政大出身の近江佐和さん(仮名)が昨年、メガバンク一般職の最終面接(4次面接)を受けた時のことだ。

「3次面接までは『ぜひ一緒に働きたい』と言われ好印象でした。ところが最終面接での若い面接官はほかの就活生にはニコニコ愛想がいいのに、私に対しては一瞬視線を合わせただけ。部屋に通されると企業名が数十社記されたペーパーを渡され、『受けた企業に○をつけ、○月○日に○次面接など進み具合も記入して』と高圧的に指示されました」

「2度とこの会社のサービスは使わない」。就活生にこんな嫌悪感を抱かせる面接官も

どこまで書くべきか悩みつつ、記入を終えると「意地悪な面接」が始まった。最初は旅行会社と銀行の両方を受けていることを突っ込んできた。「企業選びで2つの軸がある」と主張する近江さん、「銀行と旅行は関係ない」と突っぱねる面接官、4回ほど応酬があり、納得できない面接官はさらに不機嫌になっていく。次の質問で不機嫌の理由が判明したという。

「銀行に入って何がしたいんですか。そもそも君、セミナー参加回数ゼロだし」。どうやらセミナーに一回も参加していないのに、最終面接まで残っているのが気に入らなかったのだ。

銀行窓口で商品販売がしたいと答えると、質問をどんどんかぶせてくる。「じゃあ窓口業務ってなんですか」「どんな金融商品があるのか答えて」「ローンの種類を答えてください」--。ところが、銀行業務をしっかりと勉強していた近江さんはこれらの質問に的確に回答、難しい質問でやり込めようと思っていた面接官は思惑が外れ、ますます不機嫌になってしまった。

すると次の質問が「ローンの具体的な商品名を答えてください」。メガバンクごとにローン商品名まで覚える必要があるのが疑問だが、「すいません、分かりません」とギブアップすると、それを待っていたかのように「これで面接を終わります」。

一緒に受けた友人は「紙など書かされなかった」。おそらく面接官は、セミナーに参加歴がない近江さんの志望動機があまり強くないと見て、落としにかかった可能性が高い。採用担当者の判断といってしまえばそれまでだが、「二度とこのメガバンクのサービスは使わない」(近江さん)というほど強い嫌悪感を抱かせてしまった。

「そんなんでよくウチを受けるね」

青山学院大の篠山幸一くん(仮名)が今冬に受けた広告代理店のインターン採用での3次面接も「不機嫌」な雰囲気に包まれていた。なごやかだった1、2次面接と打って変わり、人事担当と事業部長らしき2人の人物は、「こんな不機嫌な顔の人は見たことがない」(篠山くん)という形相。質問自体は意地悪な内容ではなかったが、場の雰囲気に飲まれた篠山くんは十分なやり取りができず、ここで脱落した。

これはおそらく意図的な圧迫面接の可能性が高い。面接の雰囲気を一気に重苦しいものに変え、そのプレッシャーの中でも冷静さを保って受け答えできるか、ストレス耐性はどこまであるのか、などを企業は見ようとする。

早稲田大卒の山本雄二くん(仮名)も昨年、モーレツ営業で定評のある財閥系大手不動産で圧迫面接を受けた。面接官2人、就活生4人のグループ面談。1人の面接官はあさっての方向を向いて就活生の話に無関心な態度。もう1人は就活生の発言に対し、「どういうことか意味がわからないけど」「そんなんでよくウチをよく受けるね」。母親の病気のため大学を中退し、後に復学した山本くんの身の上話は面接官の興味を引いたようだが、残り3人の就活生の話には「フン」と鼻をならすだけだったという。

 もっとも、この企業は説明会で「この仕事のやりがいは何ですか」という就活生の質問に「やりがいって何?その質問の意味がわからないけど」とあざ笑うかのような応対だったという。意図的に圧迫面接をしていたというより、染みついた企業カルチャーかもしれない。

「彼氏はいるの?」がなくならないのは・・・

「彼氏はいるの?」「親は何をやっている人、仲いいの?」--。残念ながら、面接ではセクハラまがいの質問もなくならない。就活生の支援組織「就トモCafe」を運営する篠原広高さんによると、企業がこんな質問するのにはワケがあるという。

「異性とのコミュニケーション力があるのか知りたい企業は意外と多く、『彼氏』の質問をする。親子関係を知りたがる人事は『踏ん張れるかどうかを見ている』といいます」。しかし、彼氏がいるから異性とのコミュニケーション力がある、親子関係がいいと踏ん張る力がある、と判断するのは安易だろう。「彼氏」の質問はセクハラ認定される可能性があるし、厚労省のホームページには「家族状況や生活環境といった、応募者の適性・能力とは関係ない事柄で採否を決定しない」とある。

こんな質問をするのは、「たいてい人事担当ではない面接官。こんな質問が出ると人事は頭を抱えるケースが多い」(篠原さん)。つまり採用面接でプライベート情報にまで立ち入って聞いてくる企業は、入社後も同じようなことが繰り返される可能性があると考えたほうがいい。篠原さんは「そういう会社で働き続けることができるか、自分に問いかけたほういい」と就活生にアドバイスしている。

(齋藤勇紀、松本千恵)

 次回は5月14日(木)に掲載予定です。
 「お悩み解決!就活探偵団」では読者の皆様からのご意見、ご感想を募集しております。こちらの投稿フォームからお寄せください。就活探偵への就活生からの疑問は日経就職ナビのホームページから受け付けています。これまで寄せられた主な疑問もご覧になれます。
読者からのコメント
20歳代男性
ここまで酷い圧迫面接をされた事はないが、明らかにバカにした態度の面接官はいた。しかも大手。 就活生に高度なレベルを求める前に、自分達はどうなのかと問いかけたい。
40歳代男性
就活をしたのは20年近く前だが、当時の記憶はまだ鮮明に残っており、失礼極まりない態度をとっていた会社の面接担当者の発言も顔付きもよく覚えている。 私は大手銀行に就職し、リクルートチームの責任者もしたが、面接担当者もピンからキリまで、こんな人物を面接する側にして大丈夫か?という人も居る。当然、そういう人物の社内の評価が高いわけはない。 就活生の皆さんには、嫌な面接担当者に出くわしても、自分に自信を持って頑張ってもらいたい。
20歳代男性
ナメた態度の学生が落とされるように、ナメた態度の企業には行くわけがない。将来ユーザーになる可能性がある相手に対して、よくこんな対応ができるなと思う。

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