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シマンスキー教授「世界サッカー、強さと収益は別物」

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2015/4/21 3:30
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サッカーの巨大産業化、有力クラブのグローバル化が急速に進んでいる。欧州にサッカービジネスの強力な「極」が形成されている中で、アジアのリーグはどんな道を歩むことになるのか。サッカークラブの経営に精通した米ミシガン大学のステファン・シマンスキー教授(55)にサッカービジネスの現状と将来について語ってもらった。

■少数のビッグクラブがタイトル独占

――サッカーにまつわる世界のマネーと有力選手が欧州に集中している。この状況は変わらないのか。

「世界のサッカー市場がどのように機能しているのかの説明から始めましょう」

「世界のほとんどのリーグで1つ、もしくは2つ、3つのクラブが独占的な力を持っている。イングランドではマンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、アーセナル。スペインではレアル・マドリードとバルセロナ。イタリアではユベントス、ACミラン、インテル・ミラノ。ドイツではバイエルン・ミュンヘン。実は人口5万人のフェロー諸島のリーグでもHBトースハウンというクラブが長い間、タイトルを独占してきた。小さなリーグでも同じことが起きている」

「その一方で、世界のすべてのリーグに経営危機に陥っているクラブがある。イングランドではこの30年に70クラブが破綻、もしくは清算に向けた法的手続きに入った。もちろん、イタリアにはたくさんの同様の例があるし、フランスでも1974年以降に80クラブ、クラブ経営が健全といわれるドイツでも85年以降に80クラブが経営危機に陥った。より小さなリーグはさらにひどい状況にある」

シマンスキー・ミシガン大教授

シマンスキー・ミシガン大教授

「これはむかしからある問題で、イングランドでは1892年に清算したクラブがある。しかし、クラブの運営会社が破産しても、クラブ自体は消えていない。地域のコミュニティーがクラブを存続させている」

■厳しい自由競争、クラブ収入にも直結

――なぜ世界中のサッカーリーグでこのような共通した現象が起きているのか。

「世界のサッカーリーグは、野球のMLB、アメリカンフットボールのNFL、バスケットボールのNBAなど米国のプロスポーツのようにチーム数が定まった、閉じられたリーグとは構造が違う。サッカーリーグには昇格・降格があり、新しいクラブが常に入れ替わる。誰でもクラブを新しくつくって、上のリーグを目指せる自由な状態にある。その分、常に激しい競争が行われている」

「もう一つのポイントは、いい選手を高いお金で買えば好成績に結びつき、クラブは成功するということ。チームの成功はお金で買える」

「優勝を重ねて成功しているクラブには必ずファンがつき、入場料収入、テレビ放送権収入、スポンサー収入が増える。選手補強にお金を使えばリターンがあり、その資金でまた、いい選手を買ってチーム強化に充てられる。逆に、勝てなければ営業収益は激減する」

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