2019年2月19日(火)

国家戦略特区向けに「ダブル免震」 竹中工務店

2015/4/17付
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日経アーキテクチュア

竹中工務店が提唱するプレミアムセイフティビルのイメージ。国家戦略特別区域などでの建設を想定して、低層階にオフィス、高層階に集合住宅を配置している。(資料:竹中工務店)

竹中工務店が提唱するプレミアムセイフティビルのイメージ。国家戦略特別区域などでの建設を想定して、低層階にオフィス、高層階に集合住宅を配置している。(資料:竹中工務店)

竹中工務店は、国家戦略特別区域(国家戦略特区)での採用に向け、最高水準の安全性と快適性を備えた「プレミアムセイフティビル」のコンセプトをまとめた。免震層を2層設けたダブル免震や、非常用エレベーターを利用した垂直避難誘導などで安全性を確保したうえで、心理的な安心感を与えるダブルデッキや、自然の光や風を引き込むマルチエコボイドなどで快適性を高める。

プレミアムセイフティビルは、政府が進める国家戦略特区での建設を想定したもの。特区に外資系企業を誘致するには、災害リスクが懸念される日本の都市のイメージを払拭する必要がある。また、特区では容積率や土地利用の規制が大幅に緩和されるので、オフィスや集合住宅などの複合建築が増えると予想される。

プレミアムセイフティビルは、低層階にオフィスを、高層階に集合住宅を配置した複合建築をイメージしている。高さは約60mとし、柱と梁に鉄骨を使い、床スラブと耐震壁は鉄筋コンクリートとする。

■最上階の加速度を3分の1に

免震層は1階と地下階の間だけでなく、高層階と低層階の間にも設置する。免震層が1層の一般的な免震建物では、最上階で大きな揺れが発生する「むち振り現象」のリスクがある。ダブル免震によって最上階の加速度は3分の1程度になり、むち振り現象のリスクを抑制できる。また、火災時に迅速な避難ができるように非常用エレベーターを利用して避難誘導する。

高層階の集合住宅には、デッキの外側にもう一段デッキを設けるダブルデッキを導入する。下方の眺望が広がるだけでなく、居住者の心理的な安心感が増すという。建物中央部を貫くマルチエコボイドは、自然な光や風を建物内に引き入れるとともに、非常時には複数の経路で排煙することができる。

高層階の集合住宅にはダブルデッキを利用。日射の遮蔽効果も高まる(資料:竹中工務店)

高層階の集合住宅にはダブルデッキを利用。日射の遮蔽効果も高まる(資料:竹中工務店)

コンセプトの実現の可能性について同社技術本部技術企画部の遠山幸太郎部長は「まだ日本国内ではダブル免震の実施例はないが、当社では技術的な検証を終えており、実現できる見通しは十分に立っている」と話している。

(日経アーキテクチュア 小谷宏志)

[ケンプラッツ 2015年4月16日掲載]

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