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これぞIoT、ベアリングにも「知能」注入

日経テクノロジーオンライン

ベアリングを知能化して付加価値を出す。そんな取り組みを、スウェーデンのベアリングメーカーであるSKFが進めている。同社が産業技術の展示会「Hannover Messe 2015」で展示した、「SKF Insight」と「SKF Enlight」はまさにこの思想を体現したものだ。

いずれも、振動センサーや加速度センサー、温度センサーをベアリング内部に搭載、あるいはベアリング搭載製品に外付けし、このセンサーから無線通信を介してデータを収集することで、ベアリングの状態を分析して異常を診断するというものだ。

SKF Insightは、交換すると億円単位のコストが必要となるような大型のベアリングを対象としたもの。ベアリングの中に、センサーと2.4GHz帯を利用する産業用無線方式であるWirelessHARTの無線機を搭載。WirelessHARTを介して送られてくるデータをコンセントレーターと呼ばれる機器で受け、これを移動体通信(GPRS)経由でセンター設備に送る。

センター設備では、リアルタイムでデータを監視。このまま稼働を続けるとベアリングが壊れるなどの状態を検知する。ベアリングの回転で発電し、これでセンサーを駆動するため、電池や外部電源は必要ない。「SKF Insightによって高価なベアリングが壊れる前に検知して対処できるので、製品を長持ちさせることが可能」(説明員)という。

現在、風力発電の羽のベアリングと、電車の車輪のベアリングでパートナーと試験導入を始めているとした。

SKF Enlightは、小型のベアリングを監視するためのシステム。センサーをモーターに磁石で取り付けて監視する。SKF Insightと異なるのは、常時ではなく、タブレット端末やスマートフォンとBluetoothを使って接続し、情報を収集する点だ。

アプリに搭載されたアルゴリズムで異常かどうかを判定する。利用にはベアリングについての特別な知識は必要ない。また、詳細を調査したい場合は、ログデーターをSKFのセンターに送って専門家に分析を依頼することも可能だ。「油をさせばいい」「部品を交換しなければならない」などのアドバイスが送られてくる。このセンサーはSKFが直接エンドユーザーに販売するのではなく、モータメーカーなどを通じて提供することを考えているようだ。

現在、さまざまなモノをネットワークに接続する「IoT(Internet of Things)」化によって、製品に付加価値を持たせる動きが進んでいる。SKF InsightとSKF Enlightは非常にうまく製品をサービス化した事例といえそうだ。

(日経テクノロジーオンライン 中道理)

[日経テクノロジーオンライン 2015年4月15日掲載]

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