2018年5月22日(火)

行政が人材「引き抜き」 沖縄の建設業界が対策要請

2015/4/14付
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日経コンストラクション

 行政による人材“引き抜き”に耐えられなくなった建設業界が、自治体に対策を要請した。沖縄県建設業協会の下地米蔵会長は2015年4月10日、県市長会会長を務める古謝景春・南城市長を訪問。新卒の職員採用を促進し、自治体の中で計画的に育成するよう求める要請書を手渡した。

 建設業界ではここ数年、自治体への人材流出が大きな問題になっている。しかし、業界内には「人材に逃げられないよう自ら待遇改善を図る方が先決」との意見もあり、行政に要請書を提出するのは珍しい。

 「現場代理人が施工途中で退職した」「補充人員が見つからず困っている」「配置予定技術者が不足し、社内の世代バランスが崩れた」――。沖縄県建設業協会が会員企業にアンケート調査を実施したところ、こんな窮状を訴える声が数多く寄せられた。

沖縄県建設業協会の資料をもとに日経コンストラクションが作成。同協会が会員企業361社を対象に、自治体などへの転職状況についてアンケート調査を実施した。回答数は65社。グラフは、公務員への転職者36人の内訳

沖縄県建設業協会の資料をもとに日経コンストラクションが作成。同協会が会員企業361社を対象に、自治体などへの転職状況についてアンケート調査を実施した。回答数は65社。グラフは、公務員への転職者36人の内訳

 特に、監理・主任技術者になれる資格を持った技術者の流出は、受注機会の喪失につながるだけに深刻だ。アンケートでは、自治体などに転職した技術者のうち、69%が一級土木施工管理技士の資格を持っていた。二級土木と一級建築も含めると、転職者の9割が施工管理技士の資格者だ。

 ただ、“引き抜き”を行う側の自治体も、技術職員の確保には苦戦している。応募要件を緩和するなどして門戸を広げているケースも少なくない。

 例えば、那覇市では13年度、定期採用試験とは別に、民間の有資格者などを対象とした採用試験を実施。建設会社などから12人を中途で採用した。14年度は、上級土木職と上級建築職の定期採用試験で、それまで大卒などとしていた学歴要件を撤廃した。

(日経コンストラクション 山崎一邦)

[ケンプラッツ 2015年4月14日掲載]

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