強豪国相手に鮮烈トライ ラグビー・福岡堅樹(上)

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2015/4/18 6:30
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人間とチーターが100メートル走で対決――。2007年、英国の動物愛護団体がこんなイベントを催した。「人類代表」は当時世界最速のラグビー選手の一人、南アフリカ代表のブライアン・ハバナ。決着はほぼ互角だったが、ハバナには約30メートルのハンディがあったから評価は難しいところ。前傾姿勢のフォームと最高で秒速9.5メートル(時速34キロ)というスピードに、チーターとの共通性を想起させる何かがあったのだろう。

ラグビー日本代表 福岡堅樹

ラグビー日本代表 福岡堅樹

■秒速9.5メートル、世界水準の脚力

同じ秒速9.5メートルで走るラグビー選手は日本にもいる。日本代表の福岡堅樹(筑波大)。ウイングというポジションや重心の低さも、同年のワールドカップ(W杯)フランス大会で母国の優勝に貢献したハバナと通じるものがある。

「ワールドクラスのスピード。大学の試合で初めて見たとき、(今秋の)イングランドW杯の左ウイングは彼だと思った」。日本代表のヘッドコーチ、エディー・ジョーンズも期待する。13年、大学2年の春に代表初招集。現チームでは左利きのキッカーだから、W杯での「左の翼」の最有力候補とジョーンズは考えてきた。

同年11月、アウェーでスコットランドと戦った。左のタッチ際で相手のウイングと1対1になると、大外で勝負。一気に加速し、相手に触れさせずに抜き去った。欧州特有の重い芝を苦にしない力強いランと、強豪相手の2トライという結果は強烈なインパクト。ここまでの代表戦11試合の相手には世界ランキング1位のニュージーランドや5位のウェールズも含まれるが、「15人制のラグビーで追いつけない選手は今までいなかった」と福岡は言う。

敏しょう性は日本人の長所だが、ある程度の距離のスピードで世界と対峙できる選手は少ない。代表戦通算69トライの世界記録を持つ大畑大介が代表を退いた07年からはその傾向が顕著だった。福岡は日本待望の「絶対的なフィニッシャー」としてW杯に臨む。

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