2019年5月23日(木)

薬剤師も連携、"アスリートビッグデータ"事業が始動

2015/4/2付
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日経デジタルヘルス

アプリ画面の一例

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「将来はウエアラブルセンサーを使ったビッグデータ解析につなげたい」(インフォコム 代表取締役社長の竹原教博氏)――。インフォコムは2015年4月1日、トップアスリートやプロスポーツ選手を目指す若者をターゲットとするスマートフォン(スマホ)アプリ「アスリートストーリーズ(ATHLETE STORIES)」の提供を開始した。2020年をめどに100万ユーザーの獲得と、40億円の売り上げを目指す。

クラブチームや強豪校に所属する選手に向けて、まずは練習管理機能やコミュニティー機能を提供する。今後、クラウドファンディングを通じた活動資金支援や、就業支援などの機能も追加。2016~2017年には、ウエアラブル端末などとの連携機能も採り入れる狙いである。これらを通じて蓄積したデータは、スポーツ業界やヘルスケア業界と組み、市場調査や広告、職業紹介などのビジネスに展開する考えだ。

■40競技に対応へ

2015年3月30日に東京都内で説明会を開催。登壇したインフォコムの竹原氏(右)と新井田氏(左)

2015年3月30日に東京都内で説明会を開催。登壇したインフォコムの竹原氏(右)と新井田氏(左)

「スポーツ業界のプラットフォームとなることを目指した」。インフォコム アスリートストーリーズ推進グループ 責任者の新井田徹氏は、今回のアプリの狙いをこう話す。スポーツ向けアプリは既に多数存在するが、今回は「アスリートのライフサイクル支援や、競技ごとの細かいニーズへの対応などに特徴がある」(竹原氏)。

まずは、チーム内でのコミュニティー機能などを充実させた「練習ノート」をアプリで提供。日々のコンディションや練習時の気づきなどを記録し、個人やチームのモチベーション向上につなげる。現在はサッカー、水泳、陸上、卓球、体操の5競技に対応しており、今後1~2年以内に約40競技に対応させる計画。「競技人口の多いものから対応していく」(新井田氏)。

■商品開発などにデータ活用

ドーピングに関する専門知識を持つ薬剤師(スポーツファーマシスト)や、スポーツトレーナーとの連携も開始した。前者では、市販(OTC)薬の成分がドーピングに引っ掛からないかどうかをバーコードを読み込むだけで判定できるアプリを、2015年5月から提供する。

インフォコムの狙いは、アプリを通じてアスリートから集めたデータを活用するビジネスだ。主に3つの形態を想定する。

第1に、アスリートのプロファイル情報やニーズ調査の結果を、スポーツ関連企業などに提供する「市場調査ビジネス」。主に「スポーツ用品メーカーの商品開発向けを想定している」(新井田氏)。インフォコムを傘下に持つ帝人が手掛ける、機能素材開発との連携も視野に入れる。

第2に、アスリートの好みや傾向を分析し、それに見合う広告を提供する「広告ビジネス」。

第3に、蓄積したデータから本人のビジネススキルを分析し、アスリートと企業をマッチングする「職業紹介ビジネス」。プロを目指す選手たちは「誰もがプロになれるわけではない。何らかの支援がなければ、安心してスポーツに取り組めない」(竹原氏)。今回のアプリが提供する活動資金支援や就業支援は、こうした状況に応えるものだ。

(日経デジタルヘルス 大下淳一)

[日経テクノロジーオンライン 2015年4月2日掲載]

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