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すべてはチームのために ハリルJを貫く哲学
サッカージャーナリスト 大住良之

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2015/4/3 7:00
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右に本田圭佑、左に乾貴士、中央に岡崎慎司、そしてトップ下に香川真司。システムはやや違うが、1月のアジアカップと同じ4人が前線に並んだ。しかしサッカーはまったく違った――。

契約解除となったハビエル・アギーレ前監督の後を継いで日本代表監督に就任したバヒド・ハリルホジッチ監督。そのスタートはチュニジア(国際サッカー連盟=FIFA=ランキング25位)に2-0、ウズベキスタン(同72位、アジアカップでベスト8)に5-1。「勝たなければならない」と自ら宣言した2試合でその言葉通りに勝ち、しかもサッカー自体を明確に変えてみせた。

キックオフからエンジン全開

3月31日に東京・味の素スタジアムで行われたウズベキスタン戦では、冒頭の4人が前線で出場。アジアカップのときにはどの試合でもボールを圧倒的に支配し、パスをつなぎながらなかなかビッグチャンスはできなかったのだが、この試合ではキックオフからエンジン全開でスピードに乗った攻めをみせた。

中盤でボールを奪うと時間をかけずに前線の選手に送り、そこからさらにスピードアップして相手ゴールに迫る。ボールを持っていない選手が迫力をもってゴールに向かっていくから、4日前に韓国と1-1で引き分けたウズベキスタンの守備陣も形を保てない。

そして先制点がその勢いを加速させる。6分、乾が蹴った左コーナーキックは相手GKがはじいたが、ペナルティーエリア外で待ち構えたMF青山敏弘がバウンドを見極めて右足ボレーシュート。見事にゴール右上隅に突き刺したのだ。

「アグレッシブさが足りない」「前に行くスピードが物足りない」

昨年のワールドカップから今年のアジアカップまでの日本代表の試合映像を見て、ハリルホジッチ監督はこのように分析したという。23日から始まった最初の合宿ではこの2点を強調し、トレーニングしてきた。

本田ら「前に行くスピード」体現

しかし、27日のチュニジア戦(大分銀行ドーム)の前半では、守備面では相手への寄せなどでアグレッシブさはみせたものの、攻撃面では狙い通りにスピードアップできなかった。前線に永井謙佑、川又堅碁、武藤嘉紀という代表経験の少ない選手を並べたこともあったが、ボランチやDFからの縦パスも少なく、チーム全体として監督の要求する「前に行くスピード」というものをイメージできていないようにもみえた。

しかし60分に香川と本田が投入されると試合はいきなり変わった。さばいたら前に走る。スペースがあればドリブルで進み、周囲の選手も前へと動く……。本田と香川にとっては、「前に行くスピード」は所属クラブで求められているプレーでもあり、周囲の選手たちに「こうやるんだよ」と見せているような感じだった。

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