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省エネ基準義務化へ、法案を閣議決定

日経アーキテクチュア

政府は2014年3月24日、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律案を閣議決定した。2020年までの省エネ基準適合義務化の一環。大規模な非住宅建築物に対する省エネ基準の義務化や、中規模建築物の届け出義務などが盛り込まれた。基準適合義務と届け義務については、今通常国会で法案が成立すれば、17年4月1日の施行を目指す。

建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法案の概要(資料:国土交通省の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)

閣議決定された内容は主に4つある。1つ目は、「大規模な非住宅建築物に対する適合義務および適合性判定義務」。大規模な非住宅建築物とは、延べ面積が2000m2(平方メートル)以上の建築物のことで、オフィスビルや商業施設、ホテルなどが該当する。これらの建築物を新築する場合などに、省エネ基準適合の義務が課せられる。適合義務に関する規定は建築基準関係規定とみなす。つまり、基準を満たさなければ、建築確認は下りない。

2つ目は、「中規模以上の建築物に対する届け出義務」。延べ面積が300m2以上の建築物が対象で、オフィスビルなどの非住宅のほか、集合住宅といった住宅も含まれる。これらの建築物を新築する場合などは、省エネ計画の届け出が義務付けられる。

中規模以上の建築物に対しては、省エネ基準に適合しない場合、必要に応じて自治体が改善の指示や命令を行う。従来、著しく省エネ基準に対して不十分な場合に勧告が行われていたが、今回の法案では、指示や命令まで対応が引き上げられた形だ。命令に従わなかった場合は罰則もある。

国土交通省によると、適合義務と届け出義務については、今通常国会で法案が成立した場合、17年4月1日の施行を目指すという。

なお、従来は対象となっていた修繕や模様替え、設備設置や改修といった一般的な改築については届け出の対象外とする見込みだ。また、省エネ基準に関する3年おきの定期報告制度も廃止を予定している。

優遇策も用意

省エネ基準の義務化で、厳しくなるだけではない。閣議決定された3つ目以降の項目では、新しい仕組みとして、特例などの優遇策が盛り込まれた。

1つは、「省エネ向上計画の認定(容積率特例)」だ。建築物のエネルギー消費性能が省エネ基準を超え、国土交通省などが定める一定の基準に適合することが認められた場合、容積率を緩和する方針だ。認定の水準設定や容積率の緩和内容などについては、法案成立後に議論する。

もう1つは、「エネルギー消費性能の表示」だ。省エネ基準に適合している建築物であることを示す表示が可能になる。適合の認定は自治体が行う方針。認定や表示などの制度内容については、今後詳細を詰める予定だ。また、今後はこの制度を活用して、例えば補助制度などの優遇措置も検討するという。

容積率特例と、エネルギー消費性能表示については、今通常国会で成立した場合、16年4月1日の施行を目指す。

(日経アーキテクチュア 安井功)

[ケンプラッツ 2015年3月26日掲載]

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