2018年9月21日(金)

世界的景勝地で初の水害対策 京都・桂川の災害復旧工事
日本大改造(8)

科学&新技術
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2015/4/7 6:30
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日経コンストラクション

 2013年に水害を受けた、京都市嵐山地区を流れる桂川の改修工事が進む。景勝地の中心である渡月橋付近の施工は、観光客が比較的少ない1月から3月の間に限定した。本格的な河川改修に向け、景観と治水の両立を模索している。

渡月橋付近で掘削した堆積土砂を不整地運搬車で下流に向け搬出する。大型土のうを積んだ部分は6号井堰(写真:大村拓也)

渡月橋付近で掘削した堆積土砂を不整地運搬車で下流に向け搬出する。大型土のうを積んだ部分は6号井堰(写真:大村拓也)

 2015年1月初旬、世界的な景勝地として知られる京都市右京区・嵐山地区の渡月橋付近で、桂川の災害復旧工事が始まった。この地区で本格的な治水工事を実施するのは、桂川の管理が京都府から国へ移管された1967年以降、初めてのことだ。

 桂川は2013年9月の台風18号で増水。嵐山地区では両岸の約10ha(ヘクタール)が浸水し、旅館や土産物店を含む93戸が浸水被害を受けた。今回の工事では、流失した護岸の復旧と併せて、河川内の堆積土砂を撤去する。

 工事を発注する国土交通省近畿地方整備局淀川河川事務所の瀧澤洋事業対策官は、「平水位よりも上に位置する土砂を撤去して、増水時の水位上昇を軽減する」と話す。掘削土量は合計約1万m3(立方メートル)。このうち、2014年度は約4500m3を施工する。

6号井堰の下流側右岸に設けた掘削土の水切り場。工事用車両は写真奥にある中ノ島を経由せず、右岸に沿って設けた工事用道路を使う

6号井堰の下流側右岸に設けた掘削土の水切り場。工事用車両は写真奥にある中ノ島を経由せず、右岸に沿って設けた工事用道路を使う

 「浸水被害で観光産業がダメージを被った。地元からは早く土砂を撤去してほしいという要請が多く、工事に協力的だ。ただ、嵐山地区を訪れる観光客への配慮は必要だった」(瀧澤事業対策官)。

 嵐山地区は年間を通じて、観光関連のイベントが多い。3月下旬の桜の開花から12月の嵐山のライトアップまで、人出は絶えない。そこで淀川河川事務所は、渡月橋付近の施工を客足が減る1月から3月上旬の間に限った。ただし、渡月橋の200m下流にある6号井堰からさらに下流では、非出水期に当たる10月中旬から工事に着手している。このエリアの施工は、渡月橋周辺の景観への影響が少ないとみたからだ。

 さらに、嵐山地区内を走行する工事用車両を減らす目的で、桂川右岸に沿って全長2kmの工事用道路を仮設した。

(資料:国土交通省淀川河川事務所)

(資料:国土交通省淀川河川事務所)

写真は渡月橋の上から見た掘削状況(左資料:国土交通省淀川河川事務所)

写真は渡月橋の上から見た掘削状況(左資料:国土交通省淀川河川事務所)

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