ついに人工知能が銀行員に「内定」 IBMワトソン君

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2015/3/20付
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江藤副部長は「(経験の浅い人でもベテラン並みのサービスができるなど)顧客対応の標準化と底上げができる」と期待する。オペレーターにも「膨大な資料を調べなくても答えが得られる」などと評判だという。

■銀行のことなら何でも知っている超ベテランに

三井住友銀は本格導入に向けてシステム環境を整備中だ。完成次第、兵庫県と福岡県のコールセンターで顧客との実際のやり取りに使い始める。9月に部分導入を始め、来年にも全600席に展開する計画だ。

三井住友銀がワトソンに想定するのは銀行のことなら何でも知っている超ベテランのスーパー銀行員。将来は店舗の職員から事務処理などの質問に答えたり、法人営業が客先で投資相談に活用したりと構想は広がる。

渕崎正弘取締役専務執行役員は「将来は融資業務にも使いたい」という。融資の申し込み情報や信用情報に加えて膨大な過去の取引データなどを分析して、職員が融資の可否について判断するための材料を提示する参謀役のイメージだ。

メガバンクでは、みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行もワトソンの導入を進めている。ワトソンを本格導入するには数億円以上かかるとされるが、顧客対応などのサービス品質を引き上げたり人手に頼っていた複雑な業務を効率化したりできるため、投資以上の効果があるとみられる。

三井住友銀行はワトソンの導入を決めた(東京・千代田)

三井住友銀行はワトソンの導入を決めた(東京・千代田)

銀行員デビューが目前のワトソン君に、早くも次なる仕事の依頼が舞い込んだ。「日本の保険会社として初めてワトソンを導入する」。日本郵政の西室泰三社長は2月18日の記者会見で、かんぽ生命保険の保険金の支払業務にワトソンを活用すると発表した。

ワトソンの国内展開で日本IBMと提携したソフトバンクは、予備校と組んで学生の成績などから苦手分野を見つけ出すサービスや、体調がすぐれない時に症状から診察を受ける必要のある診療科目を指南する「家庭の医学」のスマートフォン(スマホ)アプリなどの開発を想定する。

活用範囲が広がるにつれて得意分野も見えてきた。膨大かつ複雑なルールに基づき、事務処理や質問応答を臨機応変にこなす使い道だ。役所の窓口業務などが想定できる。次は公務員か。名参謀の就職活動は始まったばかりだ。(大和田尚孝)

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