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欠陥マンション住民、建て替え求め久留米市を提訴

日経アーキテクチュア

大量の欠陥施工が見つかった福岡県久留米市に建つ分譲マンションをめぐり、管理組合が2015年3月5日、確認を下ろした久留米市に対して、自分たちの住むマンションへ建て替えを命令するよう求める行政訴訟を提起した。命令してほしいという相手先は施工元請け会社である鹿島と、原告である管理組合自身の2者だ。

問題のマンションは「新生マンション花畑西」で、1996年の完成・引き渡し直後から多数の欠陥施工が発覚し、現在まで解決に至っていない。管理組合理事を中心とした住民の51世帯は2014年6月、設計者のユーアンドエー設計事務所、工事監理者の木村建築研究所、施工者の鹿島の3者を連名で提訴した。デベロッパーは2008年に法人を解散したため、被告とはなっていない。こちらの裁判は現在も継続中だ。

民事調停でも平行線

原告側は、構造設計一級建築士に依頼して構造を再検証した結果として、保有水平耐力が建築基準法レベルの21%から35%しかない階があったという報告書を提出。補修や改修では当初に想定された性能は達成できず、解決策は建て替えしかないと主張している。

鹿島などとの裁判と併行して、管理組合は久留米市を相手取り、建て替え命令を求めて2014年7月から久留米簡易裁判所で民事調停を行っていた。だが7回の調停を経ても市が管理組合の主張を認めなかったため、今回の提訴に至ったという。

市に対する訴状によると、管理組合側は市に対し、「マンションの保有水平耐力が著しく低く、耐震性が欠如した状態にあることから、市には建基法9条(違反建築物に対する措置)、同10条(保安上危険な建築物等に対する措置)による命令権限がある」と主張。「マンションは地震や台風などで一気に倒壊する危険性が高い。その結果、周辺の住民や周辺道路の通行人などの生命、身体、財産に大きな損害を与える危険性がある」としたうえで、「権限と危険性を踏まえ、市にはマンションの区分所有者などに建て替えあるいは除却を命ずる義務がある」と訴えた。

久留米市の建築指導課は、本誌の取材に対し、「調停では、既存建築物の安全確認方法としては耐震診断を採用することが適切であり、診断を行うなら市として助言の用意があると申し上げてきた。裁判についてはまだ訴状が届いていないため、コメントは差し控えたい」と回答した。

(ライター 池谷和浩)

[ケンプラッツ 2015年3月19日掲載]

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