日本メーカーの存亡 突破口は「好奇心資本主義」
みらいのトビラ(3)

(2/4ページ)
2015/3/24 7:00
保存
共有
印刷
その他

山本一郎(やまもと・いちろう)
1996年、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。国際電気(現・日立国際電気)入社後、調査会社、外資系証券会社調査委託などを経て、2000年、IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作を行うイレギュラーズアンドパートナーズ株式会社を設立。ベンチャービジネスの設立や技術系企業の財務・資金調達など技術動向と金融市場、各種統計処理や分析業務に精通。また、対日投資向けコンサルティング、投資ファンドを設立。著書に『ネットビジネスの終わり (Voice select)』(PHP研究所)、『投資情報のカラクリ』(ソフトバンククリエイティブ)など多数。日本随一の時事・経済系ブロガーとしても知られる。2013年都市型高齢化検証プロジェクト『首都圏2030』を立ち上げ、現在東京大学客員研究員も務める

山本一郎(やまもと・いちろう)
1996年、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。国際電気(現・日立国際電気)入社後、調査会社、外資系証券会社調査委託などを経て、2000年、IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作を行うイレギュラーズアンドパートナーズ株式会社を設立。ベンチャービジネスの設立や技術系企業の財務・資金調達など技術動向と金融市場、各種統計処理や分析業務に精通。また、対日投資向けコンサルティング、投資ファンドを設立。著書に『ネットビジネスの終わり (Voice select)』(PHP研究所)、『投資情報のカラクリ』(ソフトバンククリエイティブ)など多数。日本随一の時事・経済系ブロガーとしても知られる。2013年都市型高齢化検証プロジェクト『首都圏2030』を立ち上げ、現在東京大学客員研究員も務める

山本 ああ、それは分かります。

川口 世の中では身の回りの力仕事に関する省力化が進んでいて、技術で解決していくことがどんどんなくなってしまった。最後の省力化が電気自動車で、さらに進んで自動運転車やパワードスーツだと。楽をしたいという要望に応える取り組みですね。これとは別に「長生きしたい」という欲求に向けた取り組みの方向性もあって、それはメカトロよりはライフサイエンスが担っていく領域でしょう。

もう一つ、人間には「コミュニケーションしたい」という欲求があります。相手に対する興味だったり、世界はどういう仕組みでできているのかと思ったりすることです。これが先ほどの好奇心の話とつながります。

例えば、山本さんの好奇心は、専門知識とは全然違うレイヤーでメタレベルに何かを理解して、そのアナロジーから何かを類推することでしょう。 つまり、多くのアナロジーの引き出しを持っていて、何かを見たときに「これはあれと同じことが起きている」と感じる能力です。

全く異なる話題から何かを類推できるかどうかがイノベーションの大きな部分で、ほかの人と同じものを見たときに「あっ」と思えるかどうかが大事です。例えば、「このアナロジーを、このデバイスの開発に使おう」と。もちろん、デバイス開発の場合は、ある程度専門性の土俵が必要でしょう。

山本 そうじゃないといけないですよね。

■好奇心ある人を見つけるしかない

川口盛之助(かわぐち・もりのすけ)
1984年、慶應義塾大工学部卒、イリノイ大学修士課程修了(化学専攻)。 技術とイノベーションの育成に関するエキスパート。世界的な戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトル・ジャパンにおいて、アソシエート・ディレクターを務めたのち、株式会社盛之助を設立。国内のみならずアジア各国の政府機関からの招聘を受け、研究開発戦略や商品開発戦略などのコンサルティングを行う。その代表的著作『オタクで女の子な国のモノづくり』(講談社BIZ)は、技術と経営を結ぶ良書に与えられる「日経BizTech図書賞」を受賞し、英語、韓国語、中国語、タイ語にも翻訳される。心をつかむレクチャーの達人としても広く知られる

川口盛之助(かわぐち・もりのすけ)
1984年、慶應義塾大工学部卒、イリノイ大学修士課程修了(化学専攻)。 技術とイノベーションの育成に関するエキスパート。世界的な戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトル・ジャパンにおいて、アソシエート・ディレクターを務めたのち、株式会社盛之助を設立。国内のみならずアジア各国の政府機関からの招聘を受け、研究開発戦略や商品開発戦略などのコンサルティングを行う。その代表的著作『オタクで女の子な国のモノづくり』(講談社BIZ)は、技術と経営を結ぶ良書に与えられる「日経BizTech図書賞」を受賞し、英語、韓国語、中国語、タイ語にも翻訳される。心をつかむレクチャーの達人としても広く知られる

川口 このアナロジージャンプの作業が最も高い付加価値を生み出すインテリジェントな仕事で、日本はそのステージで戦わなければならない国になっています。これだけ高給をもらって、平均年齢が40代後半という世界でも最も年寄りの国ですから。

それに見合った対価を得ようとしたら、優れたアウトプットを出さなければなりません。そのためには、好奇心を持つ人が1000人に1人で、残り999人は平凡でもいいというマネジメントをする必要がある。好奇心のある人と同じ水準を全員に求めること自体がエネルギーの無駄遣いで、既にタレントマネジメントの世界に入っていると思います。

――先ほどの山本さんの話を聞くと、どちらかと言えば好奇心のない人がマネジメントをしている印象なんでしょうか。

川口 マネジメントを担う人は自分に好奇心がなくても、少なくともその構造に気がついて、「俺の役目は好奇心があるやつを見つけて、そいつの才能を引き出すことだ」くらいに割り切る必要がある。

サービス産業化が進むと知的作業の価値が上がるので、そうなってしまいます。先ほど山本さんが話していたチャレンジしないという話題は、突き詰めると興味がないということになる。「思考の怠惰」です。新しいことや、違う分野から何か自分に役に立つものを学ぼうとする気がないということにつながっています。

  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

日経BPの関連記事

電子版トップ



[PR]