2018年9月21日(金)

「ドラクエ」生みの親が明かすヒットの方程式

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2015/3/12 7:00
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 ――アクションゲームでドラクエの世界観を再現するのは難しかったのではありませんか。

 「コーエーの開発メンバーも、声優の松坂桃李さんや桐谷美玲さんも、みなさんがドラクエファンで、説明は何もいらなかった。『ドラクエってこうだよね』という共通認識ができていた。幸せなことだ」

 「登場人物の女格闘家『アリーナ』は1990年に発売した『ドラクエ4』のキャラクターだが、今作ではタイツをはかないデザインにした。すると、『アリーナは黒タイツをはいているはずだ』とネットの書き込みが相次ぎ、急きょ、3月5日の無料ダウンロードでタイツのコスチュームを追加した。ドラクエというコンテンツが僕の手を離れ、ユーザー側で進化している」

 ――「かんたん操作」モードは堀井さんのアイデアから生まれました。

 「誰でも簡単手軽に遊べるゲームにしたかった。『かんたん操作』なら同じボタンを押すだけで敵を倒せる。ゲームに慣れていない子どもから女性まで楽しめる。『ドラクエ』から入ってきた人にはアクションゲームが苦手な人もいるはずと考え、レベルアップの要素を入れて操作が下手でも攻略できるようにした。入り口は広く、奥行きは深いゲームになった」

 「ゲームを作るときは徹底してお客さんの目線になる。実際に遊んでみて、ユーザー目線の手触り感を確認する。すると、ここがわかりにくいということだけじゃなくて、こうすればいいというのが僕にはわかる」

 ――ユーザー目線を忘れがちな開発者もいます。

堀井雄二氏の「ドラゴンクエスト」はRPGのジャンルを日本に根付かせた。「2016年の30周年に向けて、イベントなどを計画中」

堀井雄二氏の「ドラゴンクエスト」はRPGのジャンルを日本に根付かせた。「2016年の30周年に向けて、イベントなどを計画中」

 「開発側はいろいろな要素を入れたくなるものだが、開発者の都合でゲームを作ってはいけない。コーエーとは毎週打ち合わせを重ねた。彼らが作ってきてくれた試作に『これはいらない』『ここはわかりにくい』と指摘して、余分な要素を外してもらうこともあった」

 「チュートリアルも丁寧に説明するのがいいと思いがちだが、説明が長くなるとやる気がうせる。5%を覚えれば、後はユーザーが必要な操作を習得していくものだ。5%を覚えて楽しめないなら、直感的に遊べないゲームの作り方が悪い。僕はゲームを遊ぶのに説明書を読みたくない」

 ――家庭用ゲームが苦戦し、ゲーム産業の未来を悲観する声もあります。

 「まったく心配していない。ゲーム人口は増え続けている。スマートフォン(スマホ)ゲームは誰もがやっているし、ユーザーから見れば『LINE』や『フェイスブック』に投稿したり、応えたりするのもゲームだ。脱出ゲームのような参加型も人気になった」

 「ゲームに慣れ親しんだ人が増えてきて、開発者にはやることがいくらでもある面白い時代だ。私はスマホでババ抜きのゲームを作ってみたい。ソニー系のヘッドマウントディスプレー『プロジェクト・モーフィアス』もある。いろいろな作り手がいてゲームの未来は明るい」

(企業報道部 新田祐司)

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