2018年12月13日(木)

「ドラクエ」生みの親が明かすヒットの方程式

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2015/3/12 7:00
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コーエーテクモゲームスの小笠原賢一執行役員兼ソフトウェア3部長の下には「ドラゴンクエスト」を知り尽くすメンバーが集まった

コーエーテクモゲームスの小笠原賢一執行役員兼ソフトウェア3部長の下には「ドラゴンクエスト」を知り尽くすメンバーが集まった

「ドラクエファンにはアクションゲームの未経験者もいる。彼らでも気持ちよく遊べなきゃダメだ」。堀井氏は徹底して、簡単、気軽に遊べるゲームにこだわった。「これじゃわかんないよ」「ここ難しくないか」。週1回のペースで開発途中のゲームを試遊し、プレーヤーが少しでもつまずきそうなポイントを見つけては修正を指示した。「開発者の都合でゲームを作ってはいけない」と堀井氏はいさめる。

「僕は何がダメかだけじゃなくて、こうしたらよくなるってところまで見える」。こう話す堀井氏のアイデアで生まれたのが「かんたん操作」モードだ。同じボタンを連打するだけで敵を倒し、必殺技まで繰り出せる。ゲームに親しみがない子どもや女性でも今作の醍醐味である爽快感が味わえる。「入り口は広く、奥行きは深く」こそ極意だ。

堀井氏との打ち合わせを重ねたコーエーの小笠原氏はその徹底したユーザー目線に舌を巻いた。「普段から社内でもわかりやすさは意識してきた。でも、堀井さんが求める簡単のレベルはずっと高いところにある」。青海氏も「堀井さんの言葉にはそういう見方もあったのかといつも気づかされる」と話す。「業界経験が長くなるほど、遊んでくれるユーザーの存在を忘れてしまいがち。30年以上も活躍する堀井さんがユーザー目線を逸脱しないのはすごい」。2人は口をそろえる。本人は「なぜかって聞かれてもわからないけど、お客さんの目線になれるんだよね」とうそぶく。

家庭用ゲーム機の苦境を見て、業界の先行きを悲観する声は多い。映像が高精細になるにつれて操作やルールが複雑になり、初心者には取っつきにくい作品が増えた。スマートフォン(スマホ)ゲームの勃興は頭でっかちになりすぎた家庭用ゲームのアンチテーゼでもある。ゲーム産業誕生から30年余り。家庭用ゲーム復権の突破口は基本に返ることかもしれない。

■堀井雄二に聞く開発裏話

堀井雄二氏は1986年に「ドラゴンクエスト」を生み出し、RPG(ロールプレイングゲーム)という新ジャンルを切り開いたゲーム業界の功労者だ。「ヒーローズ」の名付け親でもある堀井氏に開発経緯などを聞いた。

――「ドラクエ」シリーズで初めてのアクションゲームになりました。

「コーエーテクモゲームスの襟川陽一社長に『ドラゴンクエストでアクションゲームを作りませんか』との提案を頂き、面白いと話に乗った。コーエーはアクションのプロフェッショナル。安心して開発をお任せした」

「唯一心配したのは、モンスターをぶった切るのにプレーヤーが罪悪感を感じてしまうのではという点だった。そこで、まずは城に攻め込んでくるモンスターをやっつけるところから物語を始めた。降りかかる火の粉は払わなければいけないという目的を持たせるためだ」

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