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被災地復興を後押し NPOと企業の連携広がる

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2015/3/11 17:31
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 東日本大震災の被災地復興で、NPOと企業の連携が広がっている。震災から4年。被災者や被災企業などのニーズの変化に応じて生活・雇用などの再建促進をめざす狙い。NPOと企業が双方の強みを生かして相乗効果を高めようとしている。NPOが活動を継続できるよう、事業基盤づくりを企業が支援する動きも目立っている。

経済同友会の加盟企業との研修に臨んだ宮城県女川町の事業者ら(東京)=NPO法人アスヘノキボウ提供
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経済同友会の加盟企業との研修に臨んだ宮城県女川町の事業者ら(東京)=NPO法人アスヘノキボウ提供

 経済同友会と連携して、地域の水産加工業の社員や町の職員の研修を実施したのは、NPO法人アスヘノキボウ(宮城県女川町)。1月下旬と2月上旬、同町から東京の大手企業に計25人を5日間の日程で派遣した。参加者は20~30代が中心。人材育成や人事制度からマーケティング、商品開発までそれぞれが必要なテーマに沿って、受け入れ先の企業で研修に取り組んだ。今回が2回目の試みだ。

 受け入れ先はアサヒグループホールディングス、ANAホールディングス、日本政策投資銀行、日本航空、丸紅、三菱地所、ヤマトホールディングスなど11社に及んだ。

 アスヘノキボウでこの事業を担当する桑原光平さんは大手銀行の出身。水産業を中心とする地域の企業について「人事制度が整っておらず、モチベーションを高める仕組みづくりもできていない。離職率が高く、採用もうまくいっていない」と指摘する。「水産加工業者などが消費者向けの最終製品を作ろうとする動きが出てきているが、試行錯誤の状況」。今後は研修後にフォローする仕組みとして月1回ペースでの勉強会を検討している。

 女性に特化し、人材育成や起業支援に取り組む動きもある。NPO法人・石巻復興支援ネットワーク(宮城県石巻市)が「ランコム」ブランドを展開する日本ロレアル、石巻市と手がける研修プログラム「Eyes for Future by ランコム」だ。

ママカフェ「Cafe butterfly」では講座の受講経験者によるジェルネイルも(宮城県石巻市)
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ママカフェ「Cafe butterfly」では講座の受講経験者によるジェルネイルも(宮城県石巻市)

 初回の13年度はメイクアップ、パソコン、コミュニケーション講座など全15回で、25人が参加。14年度は同様の「人材育成コース」に23人、新設の「女性起業家サポートコース」(テーマは美容、飲食、ネットビジネス)に11人が参加した。実際、事業を始める人も出ており、15年度は起業家の育成に重点を置いたプログラムを検討している。

 講座だけに終わらせず、フォローも重視している。JR石巻駅前のビル2階に開設したママカフェ「Cafe butterfly」を地域の女性たちが気軽に集える場にして、何かを始めたい人の相談に乗ったり、起業家どうしが悩みを共有したりできるスペースにしている。

 同ネットワークの兼子佳恵代表理事は「行政には行政、企業には企業、私たちには私たちの強みがある。だれでも一歩踏み出して声を出せば、つながって強みを発揮できる」と強調。地域のニーズをくみ取り、課題解決に向けた「つなぎ役」に徹する考えだ。

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