IT企業とは違うIoTを、パナソニックが欧州でも展開

2015/3/9付
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日経テクノロジーオンライン

パナソニックは、「Mobile World Congress 2015」(2015年3月2日~5日、スペイン・バルセロナ)において、LTEのネットワーク機能を搭載した監視カメラ「Nubo」を発表している。その発表の会見に登壇したMasaki Arizono氏(Managing Director、Panasonic System Communication Company Europe)氏に改めてブースで、パナソニックのIoT(インターネット・オブ・シングス)戦略について話を聞いた。

MWC 2015のパナソニックブースに立つMasaki Arizono氏(写真:日経エレクトロニクスが撮影、以下同)

MWC 2015のパナソニックブースに立つMasaki Arizono氏(写真:日経エレクトロニクスが撮影、以下同)

「ビジネス用途の機器でも強い」と報道機関向け発表会で説明 左端がArizono氏。スクリーンはパナソニックのスライド

「ビジネス用途の機器でも強い」と報道機関向け発表会で説明 左端がArizono氏。スクリーンはパナソニックのスライド


Arizono氏によれば、パナソニックでは、IT(情報技術)企業とは別の形でIoTに取り組んでいるという。すなわち、IT企業がバックエンドにあるサーバーやその上でのデータ解析をIoT事業の主眼に置いているのに対して、パナソニックは、フロントエンド(エッジ)の機器に重きを置いて展開を図るとする。Nuboもそうした機器の一つだとした。

民生機器でのパナソニックのポジションは自他共に認めるところだが、「ビジネス用途でも世界市場でNo.1の機器が多数ある」(同氏)。同氏によれば、高輝度プロジェクターや、ビジネス電話機、衝撃耐性や使用環境耐性の高いパソコンやタブレット端末(ToughbookやToughpad)などである。こうしたビジネス用途の機器をネットに接続して、IoTのソリューションを提供する。すなわち、得意のフロントエンド機器と、クラウドサービス、コネクティビティ(通信)の3つを組み合わせる。

「これまでは、基本的にフロンドエンド機器を納めるのがパナソニックの仕事だった。それをネットワークにつないだり、ネットワーク事業者と折衝するのは、顧客にやってもらっていた。今後は、われわれがその部分も受け持つ。IoTのサービスとして、われわれがすべてを提供する」(同氏)

もちろんすべてをパナソニック1社で行うのではない。パートナーと組むなど、さまざまな施策を行う。例えば、上述したNuboを使ったサービスでは、英Vodafone Groupの通信ネットワークを活用する。また、クラウドサービス強化に向けては、英 DHL Digital Solutionsを買収し、Panasonic Business Software Solutions Europeとしてスタートさせた。

具体的なIoTソリューションの例を、Arizono氏に聞いてみた。例えば、フランチャイズで個人事業主が店舗を展開するようなチェーン店を想定する。パナソニックは、チェーン店の本部と全体のシステムをどのように構築するかを考えて、実際にIoTシステムを構築する。これによって、個人事業主の店舗には、上述したようなフロントエンド機器が置かれる。個人事業主が通信やネットワークのことをケアしなくとも、置かれたフロントエンド機器はチェーンのIoTシステムの一部となる。これで本部とのやりとりがネットワーク経由で行えたり、機器の保守などのリモートサービスが受けられる。

「提供するサービスは千差万別。しかしフロントエンドで働いている人が、エレクトロニクスや通信、ネットワークに明るいとは限らない。そうした人が含まれるIoTシステムをスムーズに取り回すためには、パナソニックがこれまで培ったきた経験と実績が役に立つ。これはIT企業では難しいだろう」(Arizono氏)。

なお、パナソニックは日本向けには、フロントエンド機器と、クラウドサービス、コネクティビティ(通信)の3つを組み合わたIoTサービス事業について、2014年10月に発表している。今回のMWCで、Arizono氏は同サービス事業を欧州でも展開することを発表したことになる。

(日経テクノロジーオンライン 小島郁太郎)

[日経テクノロジーオンライン 2015年3月9日掲載]

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