2019年6月26日(水)

巨漢の怪物、新入幕で金星 大相撲・逸ノ城(上)

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2015/3/14 7:00
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身長192センチ、体重202キロの巨漢にいかつい顔。加えて昨年初場所からの派手な出世とくれば、逸ノ城駿(湊部屋)が"怪物"といわれるのもうなずける。

高校総体で優勝できなかったことが相撲人生の出発点だった

高校総体で優勝できなかったことが相撲人生の出発点だった

幕内デビューを飾った昨年の秋場所では豪栄道、稀勢の里の2大関を撃破、横綱鶴竜から41年ぶりとなる新入幕金星まで挙げた。13勝2敗で殊勲賞と敢闘賞を受賞。翌九州場所では一気に関脇の地位に。初土俵から所要5場所での三役入りは昭和以降で最速だった。

立ち合いに迷い、苦悩深く

だが、滑り出しが鮮やかすぎた分、その後の停滞は21歳の深い苦悩を印象づけてもいる。得意の右四つ左上手に持ち込めば、大向こうをうならせる強さを見せつけたのだが、「今はもう、いろんな人に研究されている」。巨体を生かした豪快な相撲は影をひそめ、初場所は6勝9敗と初土俵以来、初めて負け越した。関脇昇進からわずか2場所で三役から陥落し、春場所は西前頭筆頭で臨む。

大きな体ほどには心が成長できていない。このアンバランスが迷いを生む。象徴的だったのが初場所4日目の大関琴奨菊戦だ。立ち合いで右に変化し、はたき込んで勝ちはしたが、がっぷりと右四つに組む気配は感じられなかった。

「真っすぐ当たったら一気に持って行かれる気がして……」。好勝負を期待した館内はため息に包まれた。「もう挑戦者じゃない。『関脇だから変化は二度とするな』としかった」と師匠の湊親方(元幕内湊富士)。将来の角界を背負う逸材と思えばこその親心だ。

「さぁ、これから」の局面で弱気

実は「さぁ、これから」という局面で弱気になるのは、今回が初めてではない。母校・鳥取城北高相撲部の顧問で同じモンゴル出身のガントゥクスは、逸ノ城が3年生のときの高校総体個人戦が忘れられない。準決勝、立ち合いで迷い、左上手を取る前に相手のペースに持ち込まれて敗れた、悔しい記憶だ。高校横綱のタイトルは夢と消えた。

「優勝すれば、もうひとつ成長できたのに。弱さが見えた」とガントゥクス。思いは同高相撲部監督の石浦外喜義(ときよし)も同じだった。高校横綱がダメなら次は実業団選手権でトップに立てばいい。「そうすれば幕下付け出しの資格を取れると説得して、本人(の角界入り)を待たせた」。石浦は、回り道こそが、当時の逸ノ城には必要と確信していた。

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