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小学生がつなぐ山の財産 歴史の遺物「財産区」(4)

軌跡

滋賀県甲賀市の大原共有山財産区は、大原小学校の子どもたちと山を守ってきた。毎年3月に6年生が卒業記念のヒノキやスギを植え、親が下草刈りや間伐といった手入れをする。財産区管理会の西田貞夫会長によれば「1人5~10本植える。戦争中に中断した以外、119年続いている」。植えた場所には卒業年度を記した標柱が立つ。

昨年10月の草刈り作業には、教員を含めて188人が参加した。学校とは別に、旧大原村の住民全員に課す賦役もある。参加できない場合は字単位で「罰金」をとるほど徹底している。

生産される甲賀ヒノキは美空ひばりの「ひばり御殿」にも使われた高級材。木材価格が高かった頃は数千万円の収入になった。ピアノや給食設備、プールの建設費など学校には様々な助成をしてきた。大原小と結びつきが強いのは、財産区の山林の一部が学校林だったことに由来する。

木材価格低迷でここ数年は売却を抑制していたが「今年は546本の木を約450万円で売った」(西田さん)。経済的には割に合わないが、西田さんは「山が荒れると道が荒れ河川が荒れる。財産区は続けなければ」と話す。

財産区の意義を前向きに捉えてきた兵庫県立大の三俣学准教授は「環境の自治管理面だけでなく、財産区は村を離れたら区民でなくなるので所有者不明の問題も少ない」と語る。私有や記名共有の入会地のように相続で所有者がわからなくなることはない。

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