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マラソン終盤の粘り、柔らかな腕振りが支える
ランニングインストラクター 斉藤太郎

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2015/2/26 7:00
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マラソンレース終盤にペースを落とさずに走り切るにはどうすればいいでしょうか。前半に飛ばしすぎないといったペース配分に気を付けるのも大事ですが、力強い脚運びをキープするカギは腕振りにあるといえます。正しい腕振りの基本とレース終盤に見られがちな悪い腕振りについて、動画を交えて解説します。

肩甲骨から引き、骨盤に力が伝わる

「腕+振り」という言葉のイメージからか、左右それぞれの肩を支点として前後に一生懸命振っているランナーをよく見かけます。腕を振るんだという意識だと動きに力みが出て、ぎこちないフォームになってしまいます。

腕振りというと「肘の角度、腕の位置、手の握りはどうすればいいの?」といったことが気になるかもしれません。腕振りで大切なのはそうした体の末端部分ではなく、体幹の動きにまず目を向けることです。脚運びについても同様です。

はじめに意識してほしいのが腕の付け根はどこなのかということ。腕は肩が付け根ではありません。鎖骨を通って左右の鎖骨の間あたり、胸の骨と鎖骨とをつなぐ胸鎖関節と呼ばれる部分が付け根。ここから腕が動くのです。

腕は肩甲骨から柔らかく後方に引きます。このとき肩甲骨が背骨の方に寄って内側に入ってくるような形になり、そうすると背骨を通して力が伝わって骨盤が動く。左の腕を引いたときには骨盤の左側が前に動いて左脚が前に振り出されるというわけです。

多くの市民ランナーは肩周りを萎縮させて、大胸筋など体の前面の筋肉で腕を振ろうとしがちです。そうではなくて、使うべきは肩甲骨がある背中です。ここが走りのフォームの起点となって、自然と腕が振られ、骨盤が動いて脚運びにつながっていきます。肩甲骨を動かして後ろに引くことが腕振りであることを忘れないでください。

脚運びを調節するアクセルの役割

肩甲骨を使って速いリズムで腕を振れば脚の動きも速くなり、ゆったりとしたリズムで振ると脚運びもゆったりとしたものになります。腕振りは車にあてはめるとアクセルのような役割をしているといえます。踏み込めば回転数が上がり、緩めると下がるというコントロールを利かせるのです。

肩周りや鎖骨周りをリラックスさせ、上体は常に柔らかく動かすよう心掛けましょう。腕や肘が描く軌道は真っすぐ前後ではなく、前に後ろに動く中で緩やかな円を描くような気持ちで。柔らかくテンポ良く、皆さんの心地いいリズムを刻んで腕を振り続けてください。

腕振りで生み出した力を、背骨を通して骨盤に伝える感覚をつかむのに役立つエクササイズ「ツイストジャンプ」をやってみましょう。立った姿勢で体をひねるツイスト運動とジャンプを組み合わせたものです。

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