フルスイングの余韻(山崎武司)

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若手よ、キャンプでは「バカ」になって声を出せ

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2015/2/25 7:00
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2月1日に始まったプロ野球のキャンプもそろそろ大詰めとなってきた。僕は取材のため、古巣の楽天と中日のキャンプ地に足を運んだが、2011年に楽天を退団してから初めて訪れた沖縄・久米島は感慨深かった。

1、2軍合同で打撃練習の順番来ず

振り返ればちょうど10年前、05年のことになる。新たに生まれた楽天球団が初の春季キャンプを張ったのが久米島だった。空港から宿舎までバスで向かった際、まるでパレードを見るかのように島民の方々が沿道に詰めかけ、大歓迎してくれたのは忘れられない大切な記憶だ。

しかし、残念ながらキャンプ自体は、プロ野球チームが最初の一歩を踏み出すための環境が整っていなかった。当時、島にあったのは現在は2軍が使っている仲里球場のみ。そこで1、2軍の総勢約70選手が一斉に練習を行っていた。

一番印象的だったのは、打撃練習の順番が回ってくるのにとんでもなく時間がかかったことだ。そして、なんとかフリー打撃をこなしても、その後に打ち込むのは街のバッティングセンターみたいな打撃ケージ。幸いにも天候には恵まれたが、室内練習場がなかったので雨が降っていたらどうなっていたのだろう。

1、2軍合同というのは、首脳陣からすれば新しくできたチームをいち早く把握するという意味もあったのかもしれない。僕自身も当時は「こんなもんだ」と思っていたのだが、とにかく人が多すぎて何も手がつかなかったという印象が強い。

練習環境が充実、日本一につながる

「しゃあない。これでやるしかない」。キャンプの流れ、練習の組み立て方をわかっていた僕らベテランはまだよかった。しかし、若い選手はかわいそうだった。練習は完全に「流れ作業」。バッティングに磨きをかける特打をやろうとしてもやる場所がない。仮設の打撃ケージではどうやっても注意力散漫になってしまう。「自分のやりたいことができない」という厳しい環境は、これからレギュラーを奪おうと張り切っていた選手にとっては酷だったと思う。

地元の方の努力もあって、翌年には現在1軍がキャンプを張る立派な久米島球場が完成した。久米島ホタルドームという室内練習場も利用できるようになり、10年がたった今、環境面では文句のつけようのないキャンプ地となった。一昨年の楽天の日本一も、そういった努力の積み重ねの結果だったことは間違いない。

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