2018年9月25日(火)

ピンクのiPodをカイゼンに 写真で「気づき」を共有

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2015/2/24 7:00
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日経情報ストラテジー

 スマートフォン(スマホ)やタブレットが、ものづくりや物流といった業務の現場に入り込んでいる。画像や音声処理に優れ、価格も安いのが強みだ。ただし、野放図な利用は機密情報の漏洩にもつながりかねない。そんな中、トヨタ自動車九州は、カメラ付きのモバイル端末のカメラを、生産工程の「カイゼン」に生かす。端末内に写真を残さない仕組みを開発、課題を克服した。

「持出禁止」の文字が目立つピンクのカバーを付けたiPod touch。現場の作業者は気になるところをカメラで撮影する。その際は「撮影許可」を示すピンクのたすきを身に着ける

「持出禁止」の文字が目立つピンクのカバーを付けたiPod touch。現場の作業者は気になるところをカメラで撮影する。その際は「撮影許可」を示すピンクのたすきを身に着ける

 博多と北九州のちょうど中間、福岡県宮若市に本社および主力の宮田工場を構えるトヨタ自動車九州。巨大な宮田工場はトヨタの高級車ブランド「レクサス」を中心に生産する、トヨタグループにおける国内の重要拠点の1つだ。2013年には生産台数が累計500万台を突破した。

 トヨタは2014年7月29日にレクサスの新型車で、最近市場の関心が高い小型SUV(多目的スポーツ車)の「NX」を発売したばかり。このNXも宮田工場で生産している。価格は400万円台からと決して安くはないが、NXはトヨタの想定を超える引き合いの強さで、受注は好調だ。既に納車待ちが続いている。

 記者が宮田工場を訪れたのは2014年10月末。混流生産ラインには、組み立て途中のNXがひっきりなしに流れていた。ボディーカラーは黒やシルバー、赤、青など様々。NXがラインに列をなし、「今か今か」と“自分”の組み立ての順番を待っている。トヨタ自動車九州は昼夜のフル生産体制を敷いて対応していた。

■生産ラインにピンクのiPod Touch

 そんな活況を呈するNXのラインのなかに、一際目立つ蛍光ピンクのたすきを身に着けた作業者の姿があった。同じくピンクの専用カバーを装着したモバイル端末を手に持ち、組み立て途中のNXのボディーにレンズを向けている。そしておもむろに、数枚の写真を撮り始めた。

 作業者は何か気になる点を見つけたようだ。それを写真に収めて証拠を残そうと、カメラ付きのモバイル端末をラインに持ち込んで撮影していたというわけである。

 実はこのモバイル端末は、米アップルの「iPod touch」。専用のカメラアプリのみを搭載し、生産工程での改善のヒントや不具合の報告といった撮影に特化した「セキュアカメラ」である。現場の作業者は静止画だけでなく動画も撮影できる。

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