2018年8月18日(土)

人工知能が走行制御 進む自動運転車の「スパコン化」
宮本和明 米ベンチャークレフ代表

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2015/3/4 7:00
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■市街地走行で車種を認識

 下の写真は米ラスベガス市街地における走行事例で、システムは自動車の車種を認識している。実際、乗用車(Passenger Car)や多目的スポーツ車(SUV)を個別に検知した。

自動車の車種を認識(出典: NVIDIA)

自動車の車種を認識(出典: NVIDIA)

 従来モデルでは、車種ごとにフィルター(Feature Detector)を開発する必要があった。しかしDeep Neural Networkでは、システムが自動車を認識し、そのサブクラス(Passenger CarやVanなど)を教育するだけで、分別が圧倒的に効率的になった。この事例では、40時間分のビデオを入力し、16時間の教育を施すことで、区別ができるようになった。

 この写真では、左側の乗用車が高速で追い越している。従来方式では、フレームごとに画像認識を行っているが、高速で動くオブジェクトのイメージは歪むので上手く認識できなかった。

 一方、Deep Neural Networkでは、オブジェクトの特徴をつかんで高速に処理できるため、正しく認識できる。

■同時に150のオブジェクトを認識

 このシステムのアーキテクチャーは下の写真の通り。

Deep Neural Networkのアーキテクチャー(出典: NVIDIA)

Deep Neural Networkのアーキテクチャー(出典: NVIDIA)

 Deep Neural Networkは、事前にGPU(画像処理プロセッサー)搭載のスーパーコンピューターで学習を重ねる。具体的には、大量のイメージをDeep Neural Networkに読み込ませ、パラメータを最適化する。読み込んだイメージが何か、を教育するのであるが、実際には大量のパラメータを最適化する作業となる。

 教育されたDeep Neural Networkが出来上がると、これを車載Drive PXに読み込ませてシステムが完成する。運転中に車載カメラから読み込んだイメージを、Drive PX上のDeep Neural Networkに入力して、オブジェクトを分類する。Drive PXは同時に150のオブジェクトを認識できるという。

 一方、システムがオブジェクトを上手く認識できないケースでは、再度、そのイメージをスーパーコンピューターに戻し、データサイエンティストがマニュアルでタグ付けをして再教育する。Deep Neural Networkがアップデートされると、更新したソフトウエアを他の自動車にダウンロードする仕組みとなる。

 Nvidiaは、ネットワークに接続された自動車(Connected Car)がスパコンチップ(Mobile Super Chip)を搭載し、Deep Learning(深層学習:ニューラルネットワークを用いた人工知能技術)でオブジェクトを認識しながら自動運転する将来モデルを描いている。

■自動でオブジェクトを分類

 NvidiaはDeep Learningの技法に「AlexNet」を利用している。AlexNetとは、カナダ・トロント大学のAlex Krizhevskyらにより開発された方式で、「Convolutional Neural Networks(CNN)」という技法を使っている。CNNは多層ネットワークで、入力イメージから、特徴を抽出し、オブジェクトを分類する。

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