2019年2月19日(火)

電子認証を使った建築確認申請、日本で初めて受理

2015/2/18付
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日経アーキテクチュア

指定確認検査機関の住宅性能評価センター(東京都新宿区)は2015年2月2日、電子認証を使った確認申請を受理し、確認済み証を交付した。同社によれば、国内初という。インターネットで申請された物件は、4号建築物。東京23区内にある木造、2階建ての分譲住宅だった。

従来の確認申請では、事前審査でインターネットを使ったやり取りをすることはあっても、最終的に申請する段階で申請書類や設計図書など必要書類を印刷し、申請者や設計者が押印しなくてはならなかった。

シンガポールなど海外では電子申請を導入している国もあるが、日本では運用面での規定が曖昧だったため、確認検査機関は導入に二の足を踏んでいる状況だった。そこで国土交通省は2014年5月、「建築確認手続き等における電子申請の取扱いについて(技術的助言)」を発表し、電子申請について具体的な運用方法を提示。それを受け、同年12月には住宅性能評価センターをはじめ、確認サービス(名古屋市)など4社の指定確認検査機関が、国土交通大臣から電子申請の受け付けができる業務規程の認可を受けた。

■電子申請なら準備期間を約2日短縮可能

電子申請の大きなメリットが、準備期間の短縮だ。従来なら、正本や副本などを作成し、特定行政庁か確認検査機関に郵送、あるいは持ち込む必要があった。それだけで2日、地方で確認検査機関まで遠い場合には3日程度かかることもあった。それがインターネットであれば、図書の印刷から持ち込みまで不要となり、すべてパソコン上で作業が完結する。

従来の確認申請と、電子認証を使った確認申請の比較。正本・副本の作成や、持ち込みのための時間と労力を省ける。事務所にいながら確認済み証を申請できる(資料:住宅性能評価センター)

従来の確認申請と、電子認証を使った確認申請の比較。正本・副本の作成や、持ち込みのための時間と労力を省ける。事務所にいながら確認済み証を申請できる(資料:住宅性能評価センター)

住宅性能評価センター業務推進室の宮田奈津氏は、「今後、首都圏はもちろんのこと、確認検査機関が少ない地方でも、電子申請による建築確認を勧めていきたい」と話す。現在、同社では4号建築物と木造3階建てのみ電子申請を受け付けており、大手住宅会社などが関心を示しているという。

一方、電子申請の運用が本格的に始まったことで浮かび上がってきた課題もある。「電子認証(電子印)は企業などの団体でなく、個人で取得しなくてはならない。さらに取得には本人を証明する公的書類も必要で、電子印をつくるまでに時間がかかる」と宮田氏。しかも、申請者や設計者、工事監理者など押印した全員の電子証明書が必要となる。

国内外の電子申請について詳しい、建築研究所建築生産研究グループの武藤正樹主任研究員は「建設業界でBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)がさらに普及するためには、電子申請の仕組みが不可欠だ。とはいえ、紙に印刷した図書の場合は必要な情報をぱっと一覧できる良さもある。今後は紙と電子の確認申請を、確認検査機関が並行して受け付ける流れになるだろう」と見る。

住宅性能評価センターでは、2013年度に約2万1000件の確認済み証の交付実績があった。2015年度は、その4割に当たる約8400件を電子申請に切り替えていきたい考えだ。

(日経アーキテクチュア 菅原由依子)

[ケンプラッツ 2015年2月17日掲載]

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