2018年1月19日(金)

なにわのシンボル「通天閣」、世界初の展望塔免震化
日本大改造(1)

科学&新技術
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2015/2/24 7:00
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日経コンストラクション

 国内各地で、将来を見据えたインフラの整備事業が進んでいる。山では迫り来る自然災害に備え、都市では国際競争に打ち勝てるような力を高め、地方では人を呼び集めてにぎわいを生み出す――。このように現状の社会的課題を高度に解決し、新しい日本を構築しようという事業は少なくない。連載「日本大改造」では、今後のインフラ整備の指針となりそうな事業に着目し、日本の社会基盤を人知れず支える現場の実像に迫る。第1回は、大阪「通天閣」の免震改修工事を取り上げる。

2014年9月に撮影した改修工事前の通天閣(写真:日経コンストラクション)

2014年9月に撮影した改修工事前の通天閣(写真:日経コンストラクション)

 高さ100mの展望塔「通天閣」は、飲食店がひしめき、人通りが絶えない大阪市浪速区の繁華街「新世界」に建つ。1956年に完成した現在の塔を、竹中工務店が免震改修する。展望塔の免震改修は世界で初めての取り組みだ。

 同改修は2014年10月に着工、2015年6月に完成する予定だ。事業費は6億円で、工事中も営業を継続する。

 塔の運営会社である通天閣観光は、2012年に新設時の施工者だった奥村組に耐震診断を依頼した。結果は、「阪神・淡路大震災級の直下型地震では倒壊しないものの、展望台を直接支える鉄骨がゆがむ可能性がある」という内容だった。

■免震改修で揺れを3分の1に

 この結果を受けて、同社は2013年8月、奥村組のほか飛島建設と竹中工務店の計3社を対象に、地震対策工事の技術提案と見積もりを募集。審査を大阪大学大学院の宮本裕司教授に依頼した。

 奥村組と飛島建設は制震工法による改修工事を、竹中工務店は免震工法による改修工事をそれぞれ提案した。見積もりの金額は、奥村組と飛島建設では大差がなかったのに対し、竹中工務店は両社の約1.5倍に上った。

改修後の通天閣低層部の予想図。脚部に免震装置を埋め込み、コンクリートで補強する。脚部の天井には、1912年に建てられた初代通天閣の天井画を再現する方針だ(資料:竹中工務店)

改修後の通天閣低層部の予想図。脚部に免震装置を埋め込み、コンクリートで補強する。脚部の天井には、1912年に建てられた初代通天閣の天井画を再現する方針だ(資料:竹中工務店)

 それでも改修工事の発注先として竹中工務店を選んだ理由を、通天閣観光の高井隆光副社長は次のように語る。「地震発生時の来場者の安全・安心を考えると、揺れを抑える効果で勝る免震が良いと判断した」。

 通天閣で採用する免震改修では、地震時の揺れの大きさが、耐震改修を行った場合に比べて約3分の1に減る見込みだ。

(写真・資料:竹中工務店)

(写真・資料:竹中工務店)

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