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大リーグの裏話満載 ある担当記者の回想録
スポーツライター 丹羽政善

(1/3ページ)
2015/2/9 7:00
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アスレチックスのオーナー、チャールズ・フィンリー氏は突然思いついたかのように受話器を持ち上げると、別室にいる秘書に命じた。「バーソロメイ(ブレーブスのオーナー)につないでくれ」

ビル・バーソロメイ氏が電話に出るとフィンリー氏は、我々記者がいる前で「(デニー・)マクレーンをやるから、(オーランド・)セペタをくれ」とトレードを申し入れた。それに対するバーソロメイ氏の反応も、すべてスピーカーフォーンを通して伝わってくる。

ある意味、貴重な歴史資料

リアルタイムのトレード交渉・成立を目の当たりにしたのは、あのときが最初で最後だった――。

今だから書けるのかもしれないが、昨年発売されたジム・ストリート記者の「LIFE from the PRESS BOX」という回想録には、そんな知られざるエピソードが満載だ。ある意味、貴重な歴史資料ではないか。

7度もオールスターに選ばれ、1967年には最優秀選手(MVP)を獲得したセペタと68年から2年連続でサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)をとったマクレーンのトレードは、ともに力が落ちてきていたとはいえ、ビッグトレード。ストリート記者は当時、トレードのことはもちろん伝えたものの、バーソロメイ氏が自分の声が筒抜けであることを知らなかったため、さすがに交渉の様子までは書けなかったそうである。

以下、さらにその本の中で触れられている裏話を紹介していきたい。まず、次のエピソードなどは完全に歴史に埋もれている話ではないか。

73年、フィンリー氏はなぜかオレンジのボールをアメリカンリーグに導入しようと考えた。果たして、オープン戦で1回だけリーグから使用許可が出たという。ところが評判は散々で、投手らは「滑る」と不満を漏らし、二度とオレンジのボールが試合で使われることはなかった。失意のフィンリー氏は残ったボールをチーム関係者に配り、ストリート記者も「もらったはず」と記憶する。しかしながら、そのこの世に数えるほどしか存在しない貴重なボールはもうどこにいったか分からないというから、惜しい話である。

アンパイア・ステート・ビル?

79年にジャイアンツを担当しているときには、こんなことがあったと振り返っている。チームのチャーター機に乗ってサンフランシスコからニューヨークへ向かっているとき、窓からマンハッタンが見えてきた。すると、前の座席に座っていたジャック・クラークが振り返って聞いた。

クラーク 「ジム、あの高いビルの名前はなんだっけ?」

ストリート 「エンパイア・ステート・ビルディングだ」

クラーク 「そう、アンパイア・ステート・ビルディングだ! ありがとう」

ストリート 「どういたしまして」

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