よみがえった3Dプリンター ソライズの再挑戦
編集委員 大西康之

(2/2ページ)
2015/2/9 7:00
保存
共有
印刷
その他

従来型の金型で複雑な部品を作る場合、金型を3つ4つのピースに分けなくてはならない。だが、3Dプリンターなら一体造形できるのでコストと時間を大幅に削減できる。

複雑な形の部品を一体造形できる(ソライズ・プロダクツの後藤文男社長)

複雑な形の部品を一体造形できる(ソライズ・プロダクツの後藤文男社長)

ソライズが手掛けるのは試作部品の製造だ。設計データを3Dプリンターに入力し、顧客が求める性能の試作部品を、金型を使うより安価・短納期で仕上げる。

3Dプリンターには、紫外線硬化樹脂に紫外線レーザーを照射する「光造形」、粉末状にした樹脂・金属材料に炭酸ガスレーザーを照射して焼結する「粉末造形」、インクジェットで樹脂材料をプラットフォームに直接印刷し、紫外線で硬化させる「インクジェット」、ABSなどの熱可塑性の樹脂材料を溶融し、ノズルの先端から垂らして積層する「熱溶融法」などの方法がある。

■自動車メーカーが求める精度

最近、話題になっている安価な個人用の卓上型3Dプリンターは熱溶融法。手軽だが、この方法では自動車メーカーが求める精度や強度は出しにくい。ソライズは光造形、粉末造形、インクジェットの最先端装置をそろえ、顧客が望む性能の部品を、金型を使う場合の5分の1の時間、10分の1のコスト(粉末樹脂の場合)で作り上げる。

例えば数年前、ある自動車メーカーから「中のガスの流れを見たいから、透明のインテークマニホールド(自動車の排気部品)を作ってほしい」と言われ、耐熱性のある透明な樹脂で同部品を作った。文具メーカーからはキャラクターグッズの金型設計の期間短縮を打診された。はやりすたりの激しいキャラクターグッズはタイムリーに製品を出さないと、商機を逃してしまうからだ。ソライズは従来3カ月かかっていた設計完了までの時間を1カ月に短縮し、文具メーカーを喜ばせた。

「米メーカーはすべての種類の3Dプリンターを使い分け、これまでとは次元の違うものづくりを可能にしつつある。日本も活用を急がないと」と後藤社長は警鐘を鳴らす。破綻からよみがえったベンチャーが、日本に3Dプリンターの芽を植えている。

  • 前へ
  • 1
  • 2
保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]