カオスから見えてきたジャーナリズムの未来
ブロガー 藤代裕之

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2015/2/6 7:00
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流れが変わったのは、新聞社と著名なネットメディアの参加エントリーがあってからだ。沖縄タイムス、朝日新聞、J-CASTニュースなどから応募があり、最終的に38のエントリー(後に1作品が辞退)となった。

参加者が評価する作品にシールを貼って投票した

参加者が評価する作品にシールを貼って投票した

毎日新聞、日本経済新聞、神戸新聞、NHKといった既存メディアが相次いで参加したことは、既存メディアのネット表現への危機感といえるだろう。ハフィントン・ポストやヤフーといったネットメディア、業務用ソフトのサイボウズのオウンドメディアや博報堂のニュースベンチャーしらべぇといった企業のメディア、個人のブロガーも参加し、裾野の広がりが可視化された。

投票は、参加者一人に1枚配布されたシールを使った。各ブースで説明を聞き「これぞ」という作品にシールを貼る。予選の1位通過はコンテンツをバイラルメディアに盗用されたライターが取材で盗用先を追い詰め、ネットメディアの課題を浮き彫りにした調査報道「悪質バイラルメディアにはどう対処すべき? BUZZNEWSをフルボッコにしてみた(http://special.smartguide.yahoo.co.jp/kawanagare/20141028.html)」であった。驚いたことに大手の新聞社はひとつも決戦プレゼンに残らなかった。

白衣に衛生帽子、マスク姿で出展していたブログ「ドラッグストアとジャーナリズム」のkuri氏は、イベント後の記事で「大手メディアのような同規模、同業者がやることは、似たり寄ったりになる。基本はインフォグラフィクスと、既存の取材報道の組み合わせだ。新興メディアのいくつかは、僕からみるとコンセプトが漠然としている。ジャーナリズムの持つ尖った感じも少ない」と分析している。

この指摘は大手メディアの課題を鋭く突いている。同業他社を見るのではなく、ブロガーや企業がライバルだと考えていく必要があるということだ。インターネット黎明期に新聞各社もニュースサイトを開設したが、王者となったのはヤフーだった。当時を知る関係者は「ヤフーをライバルと思わず、最後まで横を見ていた」と明かす。同じ失敗を繰り返さないために、新たなチャレンジが求められる。そのヒントは最優秀に輝いた作品にある。

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