2018年12月17日(月)

教材アプリで家庭学習 学研、学校向けタブレット

2015/2/4 7:00
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学研ホールディングス(HD)が学校で使いやすいタブレット(多機能携帯端末)向け教材アプリの拡充を進めている。品川区教育委員会と連携して、区内の小中学校の各児童・生徒にタブレットを配布し、自社で開発した教材アプリなどを提供。家庭学習にも使えるのが特徴だ。

子どもはタブレットに取り込まれたドリルなどで場所を問わず学習できる

子どもはタブレットに取り込まれたドリルなどで場所を問わず学習できる

品川区の10の小中学校では、子ども1人につき1台ずつ、計1800台のタブレットが配布されている。去年9月からスタートした。タブレットには教材アプリが取り込んであり、「教科学習教材」と「調べ学習教材」に分かれている。

「教科学習教材」には各学年ごとに教科書に沿った内容とした。ドリルのほか解説動画などが入っており、家庭学習での利用を想定している。一方、「調べ学習教材」は辞書や百科事典が入っており、授業中でも活用できる。どちらも、学研がこれまで培った教材のノウハウを活用して開発されたコンテンツだ。

ただ、今回の取り組みの特徴はタブレットを家庭学習に使う点にある。学校教育の現場から自宅に持ち帰らせるのは珍しい取り組みだ。インターネットに接続して勉強以外で利用する恐れがあるほか、家庭によってはネット環境がない場合も想定されるからだ。

学研と区教委は校外でインターネットに接続できないように設定。家庭ではオフラインで勉強してもらい、登校時に情報がサーバーに登録され、勉強してきた内容を教員が把握できる。例えば算数ドリルの解答は選択式だが、子どもがタッチペンで余白部分に記した計算なども確認できる。

タブレットでの宿題は教員が子ども一人ひとりに合わせて選べる仕組みとなっている。タブレット導入の対象校の1つ、源氏前小学校では、子どもの弱点を補うよう宿題を出す取り組みを一部で始めている。

例えば、かけ算「九九」が苦手な3年生以上の子どもには、2年生のかけ算九九のドリルに取り組ませる。「『みんなと違う宿題が出た』と嫌な思いをさせなくてすむ」と勝進亮次校長は話す。

タブレットを利用することで勉強しやすいという声もある。同校5年の鈴木貴之君と坂本美月さんは「ゲーム感覚でドリルの問題を解けるので楽しい」と話す。タブレットの操作にも親しみを感じている様子だ。

文部科学省は「教育の情報化ビジョン」を2011年に策定。20年度までに小中学生に情報端末を1人1台ずつ配備する構想を掲げる。学校のICT(情報通信技術)予算は拡大していくことが見込まれる。

こうした教育行政の動向を見据え、学研HDは昨年10月に新会社「学研教育アイ・シー・ティー(ICT)」を設立した。グループ内に分散していたICT部門を新会社に集約。ICTに特化した事業を担う。

品川区のタブレット導入をモデルに各教育委員会に営業をかけていく方針で、15年9月までに100校程度で採用してもらうのが目標だ。

事業拡大に向けたポイントについて、学研教育ICTの北居誠也社長は「『BtoC(企業から個人へ)』のキラーコンテンツの開発」と話す。今後、子どもたちが手を伸ばしたくなるようなアプリの開発に全力で取り組む考えだ。(新井惇太郎)

〔日経MJ2015年2月4日付〕

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