「打てる捕手」へ挑戦2年目 阪神・梅野隆太郎(上)

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2015/2/7 7:00
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「常勝チームに名捕手あり」とよくいわれるが、近年の阪神は正捕手を固定できずにさまよい続けた。2003、05年の優勝メンバーである矢野燿大以降、城島健司、藤井彰人、日高剛と扇の要を補強に頼り、その間に生え抜きの育成は思うように進まなかった。プロ2年目を迎えた梅野隆太郎(23)が昨季脚光を浴びたのは、そんな系譜に待ったをかける後継候補として期待されたからだろう。

ルーキーの昨年は思い切りプレーすることを意識した

ルーキーの昨年は思い切りプレーすることを意識した

チーム最多の67試合で先発マスク

昨季、DeNAから加入した鶴岡一成ら先輩たちを差し置いて92試合に出場し、チーム最多の67試合で先発マスクをかぶった。捕手から見る打者、打席から見る投手はアマチュアとは全く違い、「想像以上に大変なシーズンだった」。

捕手は経験がものをいうポジションだから、ベテラン勢に技術が追いついていないのは百も承知。試合に出れば、失敗を恐れず思い切りプレーすることを意識した。「投手にジェスチャーで意思を伝えたり(盛り上げるために)元気を出したり。できることを一生懸命やっていた」

ドラフト4位ながら開幕戦で途中出場すると、徐々に出場機会を増やし、7月にはスタメンに定着した。昨季の阪神で、開幕から1度も2軍に落ちなかった捕手は梅野だけ。首脳陣が守備に目をつぶってでも23歳の育成にかじを切ったのは、打撃にそれを上回る魅力を感じていたからだ。

7本塁打、多くは試合の行方左右

開幕カードでのプロ初安打や7月に放った2打席連続本塁打……。身長173センチでもパワーがあり、昨季はことあるごとに「阪神新人捕手では田淵幸一以来45年ぶり」の文字が躍った。

福岡工大城東高時代の監督、杉山繁俊(現東海大五高監督)は「リストが強くて長打が打てる。当時からセンスがあった」と振り返る。阪神の監督、和田豊も西武の主砲、中村剛也に例えたことがあるほどで、ある球団のコーチは「鶴岡や藤井より一発があるぶん怖い」と警戒していた。

打率は1割9分7厘だったが、7本塁打は試合の行方を左右するような場面で飛び出したものが多い。特に延長十二回に最後の野手として代打出場し、4時間47分の総力戦にけりをつけた5月6日の中日戦の勝ち越し2ランは印象深い。相手にもしかしたら、と思わせる。その意外性はほかの捕手にはない強みだった。

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