歌謡曲もハイレゾで レーベルゲート、顧客つかむ

2015/1/21 7:00
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ソニー系の音楽配信サイトを運営するレーベルゲート(東京・港)がCDより高音質なハイレゾリューション(ハイレゾ)音源の配信を強化している。2014年12月までに曲数は当初の約8倍に拡大。ハイレゾ配信はクラシックなどが中心のオンキヨー系が先行したが、レーベルゲートは歌謡曲やアニメソングなどに注力して、新たな顧客層の開拓に成功している。

レーベルゲートは歌謡曲やアニメソングなどに注力して新たな顧客層の開拓に成功

レーベルゲートは歌謡曲やアニメソングなどに注力して新たな顧客層の開拓に成功

レーベルゲートは約530万曲を保有する音楽配信サイト「モーラ」を運営する。このうちハイレゾ楽曲は約5万8千曲を用意。昨年12月下旬に1980年代にヒットした「青い珊瑚礁」など松田聖子の楽曲を配信し始めたところ、「注目度が高まり、ダウンロード数も好調に伸び始めた」(同社)。今月14日には山口百恵の楽曲を配信し、これまで市場になかった楽曲提供に注力している。

クラシック音楽を中心に始まったハイレゾ音源だが、歌謡曲やアニメソング、最新のJ-POpを配信し始めたことでモーラのハイレゾ購入層は幅広い年代に広がり始めた。購入者の内訳は20代が約20%、30代が約30%、40代が約25%、50代が約15%となっている。

売り上げへの貢献度も高い。モーラのハイレゾ配信曲数は全体の約1%にとどまっていたが、全体の売上高に占めるハイレゾの割合は14年11月に約30%に拡大。13年11月の約5%から急伸した。

レーベルゲートが掲げるのが「ワンソニー」。ソニーは2月中旬にハイレゾ対応ウォークマンの最上位機種「NW-ZX2」を発売する予定で、ハイレゾ対応機器を増やしている。国内オーディオ事業の売上高のうちハイレゾ対応機器の割合は2割まで上昇した。14年10月~15年3月期は3割まで高める方針だ。

ソニーグループとしてソフトとハードの両輪で市場開拓を急ぐ。モーラは昨年6月に、マイケル・ジャクソンの未発表曲をハイレゾ対応で配信した。同時にウォークマン購入者にクーポンを配布するキャンペーンを実施。マイケル・ジャクソンのアルバム「XSCAPE」が14年の年間ダウンロードランキングでアルバム部門の1位を獲得する起爆剤となった。

ソニーは昨年、ハイレゾ対応スマートフォン(スマホ)や低価格ウォークマン「Aシリーズ」を発売。「若者にも利用者が増え、ハイレゾ市場が広がる大きな転機になっている」(レーベルゲート配信ビジネス部1課の高橋悠紀さん)。

ファンを増やす独自の取り組みもある。12月上旬にはハイレゾ楽曲を解説するサイト「モーラ リーディングス」を新設した。配信開始から9カ月連続でランキング上位10位に入った宇多田ヒカルの楽曲制作に携わった技術者へのインタビューを掲載するなど、ハイレゾ音源を聞いたことがない人にも魅力を伝えて、さらに顧客層を広げることを目指している。

音楽ソフトとハードはともに、市場縮小に苦戦してきた。本格的な音楽を求める消費者需要への期待は大きい。高橋さんは「若者の間には音楽にお金を払う文化がない」とソフト不振の原因を分析する。だがハイレゾ配信だけは「良い状態で盛り上がってきている。初めての人も聞けばやみつきになるはず」(高橋さん)。強気の姿勢で攻め込もうとしている。(広沢まゆみ)

〔日経MJ2015年1月21日付〕

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